110年前のネガが、AI技術でカラー写真に生まれ変わる

 写真家でYouTuberのマシュー・スターン氏は、1910年に撮影された2枚のガラス板のネガを、AIとPhotoshopを用いてカラー写真に生まれ変わらせた。

 スターン氏はネガを購入後、まず写真に写っている女性を知るため、英国・ヴィクトリア朝について調べたという。その結果、当時はカメラが登場して間もない頃で、ポートレートを撮影するには多くの時間がかかることからストレスも多く、それによってこの時代の写真に写る人々は、不機嫌そうな顔をしている可能性が高いことがわかった。ただこの写真に写る女性は朗らかな笑みを浮かべている。その理由として、「調査をしていると、人々の表情を変える素晴らしいものを発見した。それはペットだ。レンズの前にペットがいると、すべてが異なったものになり、“一緒にいることの幸せ”という新しい感情を表現することが可能となった」と考察した。

ガラス板のネガ|Mathieu Stern氏のYouTubeより
Mathieu Stern氏のYouTubeより
Mathieu Stern氏のYouTubeより
Mathieu Stern氏のYouTubeより
Mathieu Stern氏のYouTubeより

 次に、「Photoshop CCの『コンテンツに応じた塗りつぶし』機能と、修復ブラシツールを組み合わせて、写真をクリーニングする作業に取りかかった」という。「女性の顔は完全に焦点が合っていなかったので、ニューラルネットワークを使用して彼女の顔の特徴を強調した。そして別のAIを使用して自動色付けし、Photoshop CCのニューラルフィルターを使用して同じ作業を行ったが、どちらの場合も、完成にはほど遠いものだった」。

Mathieu Stern氏のYouTubeより

 そこで微調整するために、スターン氏は現代の女性と犬の画像を参照しながら、手作業での着色を行った。その結果、下記のような仕上がりに。

Mathieu Stern氏のYouTubeより
Mathieu Stern氏のYouTubeより

 110年前に撮影された白黒写真が、見事カラー写真として復活した。スターン氏は「現代の技術のたまもの」と述べている。

(画像=Mathieu Stern氏のYouTubeより)

〈Source〉
https://www.youtube.com/watch?v=uT8DHeSmA3Y&t=477s
https://petapixel.com/2021/12/15/photographer-uses-ai-to-restore-110-year-old-photos-bring-them-to-life/

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