連載:ゴールデンボンバー歌広場淳の「続・格ゲーマーは死ななきゃ安い」特別編
歌広場淳が三代目JSB・ELLYと語り合う「芸能人ガチゲーマー」の本質 対談中にゲームで共闘という超展開に!
大のゲームフリークとして知られ、ゲーマーからの信頼も厚いゴールデンボンバー・歌広場淳による連載「続・格ゲーマーは死ななきゃ安い」。今回は特別編として、『Fortnite』や『Apex Legends』の一流プレイヤーとして知られる、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのELLYとの対談をお送りする。互いに「芸能人ガチゲーマー」の象徴的存在である二人が共感し合うポイントとは? 対談の終盤には、なんと二人でゲームを起動し、共闘するというサプライズも。歌広場淳の興奮ぶりにも注目しつつ、楽しんでいただきたい。(編集部)
二人がゲームに“ガチ”な理由
歌広場淳:何度か番組で共演はさせていただいていますが、こうしてじっくりお話しする機会はこれまでなかったので、本当にうれしいです!
ELLY:こちらこそ、お声がけいただいてありがとうございます。よろしくお願いします!
歌広場淳:僕は格闘ゲームしかプレイしてこなかったのですが、配信を始めてからは他のジャンルの作品でも幅広く遊ぶようになり、最近はELLYさんがプレイされているFPS『Apex Legends』にもハマっています。そのなかで、「他のジャンルのゲームで活躍している有名人って、どんな方がいるんだろう?」と気にしていると、かなりELLYさんのお名前にぶち当たるんです。すごいゲーマーなんだ、という認識になって、これまでどんなふうにゲームをプレイしてこられたのか、ゲーム遍歴のようなものをぜひ聞いてみたいと思いまして。
さっそくですが、最初にプレイしたゲームは『ポケットモンスター』だと、インタビュー記事で拝見しました。どんなきっかけでゲームをプレイするようになったのでしょう?
ELLY:ゲームボーイを買ってもらったのがきっかけだったと思います。周りで流行っていたし、そこからスーパーファミコンのタイトルなども遊ぶようになって、どんどんのめり込んでいったというか。ただ、ここまで本気でゲームをするようになったのは、本当にここ1~2年の話なんですよ。
歌広場淳:そうなんですね! それでプロゲーマーにまで「ELLYはガチ」という認識が広がっているのは、本当にすごいと思います。
ELLY:学生時代の野球もそうなのですが、一度ハマると「行けるところまで行きたい」と思ってしまう性格なんですよね(笑)。
歌広場淳:なるほど。僕は『ストリートファイター』シリーズをメインにプレイしているのですが、小学校の頃からゲームセンターに行っていて。当然、その頃は「eスポーツ」という言葉もなく、「ゲームなんかやってるの? オタクだな」みたいなイメージがあったところが、なぜか時代が追いついてきた、という感覚もあるんです。
ELLY:それ、よくわかります。僕も3年くらい前にゲームをやってみようと考えたときは、まだいまほど開放的なイメージはなくて。ゲームをやり込んでいる芸能人の話もあまり聞かなかったし、正直なところ、まだ「陰キャの遊び」のように捉えられている部分があったというか。そのなかでガチのゲーマーだということを公言していたのは、歌広場さんとか、佐藤かよちゃんとか、それくらいでしたよね。
歌広場淳:「陰キャの遊び」っぽいイメージがあるなかで、「陰キャ」には絶対に見えないELLYさんがゲームをここまでやり込んでいる、というのが、ある意味で衝撃的だったというか。周りに驚かれませんでしたか?
ELLY:けっこう驚かれましたね(笑)。ただ、グローバルな視点で見ると、海外ではスーパースターといえるアーティストやスポーツ選手が『Fortnite』でコラボしたりしていて、「日本にもこの波は来る」と思っていたんです。だから、日本ではまだそこまで流行っていなかったのですが、いまのうちからやっておこうと。それで練習し始めました。
歌広場淳:素晴らしいですね。「いまは陰キャだと笑っているかもしれないけど、みんな見てろよ」みたいな感覚もありましたか?
ELLY:それはちょっとありましたね(笑)。事務所の人に言っても「なぜゲーム?」という感じでしたし、「まあ、見ていてよ」と。そうこうしているうちに、実際に日本でも流行り始めて、「『Fortnite』をプレイしている芸能人といえばELLY」という感じになっていったというか。
歌広場淳:周囲に理解されないところから、「ゲームをやってるんだ、いいじゃん!」と、風向きが変わってきたのはどのあたりからですか?
ELLY:2019年にオーストラリア・メルボルンで開かれた『Fortnite』の世界大会『AO Summer Smash 2020』に出場したあたりからだったと思います。プロアマ部門のチャリティーマッチで勝って、賞金をオーストラリアの森林火災の義援金として寄付することができて。それこそ、海外のスターたちが出場しているなかに「ELLY」という名前が並んでいて、すごいと思ってもらえたんじゃないかと。
歌広場淳:ああ、それは素晴らしいきっかけですね。例えば、僕がオンライン対戦で『ストリートファイターV』でプロ選手に勝った、と言っても伝わりにくいと思うのですが、世界大会に出場して、こんなスターたちと戦って勝利して……というのは、ゲームに関心がない人にもわかりやすい。
ELLY:そうですね。僕も『Fortnite』の界隈ではプレイスキルが認められていたと思うのですが、それだけではゲームをしない人、世間には伝わらなくて。
歌広場淳:確かに、「界隈で認められる」ことと、「世間で認められる」ことの間には差がありますよね。アーティストになって、実際のパフォーマンスだけでなく、トレーニングにも膨大な時間を使ってこられたと思うのですが、『Fortnite』に出会うまでは、ゲームから離れていたんですか?
ELLY:そうですね。自分のなかでは全然プレイしていない……という認識だったのですが、考えてみると、『荒野行動』などはうまくなりたくてけっこうやり込んでいた気がします(笑)。
歌広場淳:やっぱり、ずっとゲーム好きだったんですね(笑)。僕は小学校の頃から常にレバーを握ってゲームをやっていなければ気が済まないという感じだったのですが、2007年から2011年くらい、ゴールデンボンバーとしての活動が軌道に乗るまでは、まったくゲームを触っていなかったんです。ただ、ある程度認知度が上がってからは、メディアで「趣味」にフォーカスされることも増えて、好きなことをしよう、ということでゲームをまたプレイするようになったんですよね。
ELLY:わかります。僕も顔が知られるようになって、自然と外に出る機会が減っていくなかで、ゲームにまた時間を使うようになった、というところがあって。家にいながら外に発信できることは何だろう、と考えたときに、YouTubeのような動画や、TwitterやInstagramのようなSNSもありますが、より動きがあって面白いのはゲームだろうと。
歌広場淳:なるほど、好きなだけでなく、表現活動の一環でもあると。コロナ禍のなかで人が外に出づらくなり、そのなかでゲームの売り上げが伸びた、というのはよく聞く話ですが、ELLYさんの場合は人気者になったことで、ゲームをする必要性が出てきたということなんですね。面白いなあ。
ELLY:そうですね。ただの趣味であれば、これほど真剣にやり込むことはなかったかもしれませんが、「人に見られる」ものだから、ガチでいくでしょ!と(笑)。
歌広場淳:めちゃくちゃ納得しました。いまのELLYさんのお話を聞くと、「すべての芸能人はゲームをやるべきだ!」と力説したくなります。芸能活動の一環としても、ゲーム配信は本当に理にかなっているなと。
ELLY:例えば、家からダンスの動画を届けてもいいけれど、それが1時間とか、2時間になっていくと、「それはライブじゃん」という話になりますよね。ただトークするだけというのも難しいし、自分らしくない。それならゲームをしながら、ファンの方と交流できたら素晴らしいし、『Fortnite』は早くからプレイしていたから、技術も見せることができるなと。
ただ楽しいだけではない、ゲームのやり込み
歌広場淳:ゲームをガチでやり込んでいると、ただ楽しいだけではないと思うんです。僕もネット対戦のランクマッチをやっていて、負の感情が爆発しそうになることがあるのですが、ELLYさんはキレそうになることはありませんか?
ELLY:全然ありますよ(笑)。
歌広場淳:ですよね! この話って、本当にガチでゲームをやっている人としかできないんですよ。特にこういう対談だと、ただ「ゲームって素晴らしいですよね」という話になることが多い。でも、ゲームは少しやるぶんには楽しいけれど、本気でやっていれば壁を殴りたくなる瞬間もありますよね(笑)。ELLYさんは、どうやってそういう感情をコントロールしているんですか?
ELLY:単純に上手くなるしかないと思っていて、練習あるのみですね。
歌広場淳:これぞLDHのアーティスト像だ! あくまで「自分を高める」という方向に行くんですね。
ELLY:プライベートで”エンジョイ勢”の方と一緒にプレイすることはほぼありませんし、プロのプレイヤーのなかで揉まれるのが好きなんですよね。そうやって上達することが楽しいので、上手くいかなくてもあまりストレスにはなっていないかもしれません。
歌広場淳:普通、楽しむためにプレイしているゲームで上手くいかないと、「なんだよ、このクソゲー!」って、投げてしまうことも多いと思うんです。ELLYさんがそうならないのは、もともとの性格なんですかね?
ELLY:そうですね。もちろん好きじゃないと続かないけれど、野球も、音楽も、ゲームも、好きになればモチベーションの部分はあまり変わらないかもしれません。
歌広場淳:ELLYさんは、「ゲームをプレイしていることが実生活にも良い影響を与えている」と言われていて、すごくうまくライフスタイルにゲームを取り入れているんだろうなと思います。ただ、ゲームは本気でやり込むとかなりの時間を使うので、どうやってその時間を作っているのか、ということも気になります。
ELLY:例えば、どれだけ忙しくても、家に帰ってくると、何となくテレビを観ていたり、ケータイをいじったりしている時間があったりしますよね。その時間をゲームに充てればいいと思うし、ゲームのために頑張って時間を作っている、という感覚はなくて。もともと睡眠時間と、朝起きて頭を働かせるためのリラックスタイム以外はフルで活動できるタイプなので、自然とゲームをする時間も作れていますね。周りからはせっかちに見えるかもしれませんが(笑)。
歌広場淳:とはいえ、ゲームにそれだけ時間を割きながら、体もきちんと作っていてあのパフォーマンスですから、本当にすごいと思います。僕は「音楽」をしていないので(笑)。
ELLY:いやいや、アーティストとして活動する時間は決まっていますし、そんなことありませんよ。ゲームの場合、時間の区切りがなくずっとやり続けられるのが困るくらいで(笑)。放っておくと朝までやってしまうから、ある程度、自分が納得できるプレイができて、いい結果が出たところで、その日は止めることにしています。『Apex Legends』だったら、チャンピオンがとれたら気持ちよく眠れますよね。