オンラインで加速する“中国ストリートダンス”の熱狂 日本との違いをAcky&ディエンメンに聞く

2018年の『Dance Vision』に出演したAcky(写真提供:アッキー)

 アッキーがダンスを始めた20数年前は、いまの中国のように勢いがあり、ストリートダンスが盛り上がろうとしていたころ。みんな、ダンスを純粋に楽しんでいた。当時の状況がいまは、中国で見られると語る。「中国のストリートダンスはいま、発展途上の過程にあって、とても勢いがありますね。日本はすでに落ち着いている状態で、ダンサーたちも知識が多くて頭でっかちになっていて、純粋にダンスを楽しめていない人が多いのかなと思っています。ストリートダンスを辞めた人も多く見てきましたし」。

 「純粋にダンスを楽しむ」ということは、ディエンメンも、今後の中国のストリートダンス界に望む部分としても話してくれた。「中国のストリートダンス界は、ダンスを純粋に楽しむという気持ちとプロフェッショナルな姿勢をずっと持ち続けられたらいいですね。“ダンスで金儲け”などの道具にはなって欲しくないです」。日本のように純粋に楽しむ部分が欠け、固定観念が多くなったときに、果たしてどれだけのダンサーが残っているだろうか。

「アッキーさんはエネルギーの源みたいな存在で、彼からはダンスへの飽くなき愛情をひしひしと感じます。47歳でダンスを続けている人はほかにもいますが、彼みたいにトレーニングを欠かさず、バトルに挑み、ダンス愛がある人は他にはいないと思います」。ディエンメンと彼にとっての手本である師匠アッキー。番組には、彼らの他にも長く交流を続けてきた日本と中国のダンサーの存在が見られる。日本と中国のダンサーたちの交流とストリートダンスを盛り上げようという熱い気持ちは、今後も両国のダンス界に刺激を与えることだろう。

 10月30日の夜、いよいよ番組が最終回を迎える。その模様はオンラインで生配信されるので、もちろん日本でも視聴可能だ。(https://www.youku.com/)また、すでに来年のシーズン5の準備にも入っていると聞く。来年も日本を始め海外からダンサーを招聘予定とのこと。来年は、アッキーの教え子が多く参加するかもしれない。アッキーが語っていた「日本の新しい世代に、日本のダンスシーンを盛り上げて欲しい」に繋がる動きが見られることを期待して、まずは最終回を見てみたい。

アッキーとディエンメンが参加した作品の練習動画。中国の楽曲『恭喜发财(お金が儲かりますように)』に合わせて振りを付けた。(動画提供:ディエンメン)

(メイン写真提供=灿星)

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