ついに47都道府県制覇 なぜUber Eatsはたった5年でフードデリバリー市場を確立できたのか?
デリバリーフードサービスのUber Eatsが、2021年9月28日から福井県、徳島県、島根県、鳥取県でサービスを開始すると発表し、これで日本においては47都道府県すべてをカバーするにいたった。どうしてここまで広がったのだろう?
Uber Eatsはサンフランシスコに本社を置くウーバー・テクノロジーズが手掛けている事業のひとつ。日本ではUber Japan株式会社が2016年9月にUber Eatsのサービスを開始。当時は東京の約150のレストランパートナーと共にスタートし、2020年4月時点では16都道府県に拡大。フードデリバリーの急成長を象徴するサービスとして知られてきた。2019年には個人事業主として契約しているUber配達員の労働環境改善を求める「ウーバーイーツユニオン」が結成。
Uber Japan株式会社の第8期決算公告の純利益は、なんと+162%。そして2021年9月現在。95,000を超えるレストランパートナーとともに、Uber Eatsは日本全国各地に広まった。拡大の要因として真っ先に考えられるのは、やはりCOVID-19の影響だろう。2020年春頃からは全国的にステイホームが推し進められ、多くの人が外出や外食を控えるようになった。結果としてフードデリバリーの利用者数は右肩上がりに増大してきた。
Uber EatsはアプリやPC上から注文が可能だが、注文時に割り引きできるプロモーションコードの配布や、時間限定で配達手数料が無料になるキャンペーンなどが不定期に実施されている(小計=注文価格+サービス料+配達料)。基本的にUber Eatsの価格は実店舗で注文する場合よりも高価だが、こうしたプロモーションやGoToイートキャンペーンの影響などを活用して、安く注文しようとする人もいることだろう。筆者も月に何度かUber Eatsを使っているが、「一品注文するともう一品無料」といった、お得すぎる店舗のメニューはついチェックしてしまう。
また、COVID-19により仕事を失った人や、スキマ時間の副業として、Uber Eatsの配達員が注目されてきた背景もある。配達パートナーには19歳からなれるため大学生でも始められ、なおかつ対面接客ではない非接触な仕事であるため、コロナ禍においてはピッタリな仕事ともいえるだろう。デリバリー需要とワーカー需要の一致。これらが重なったことは、Uber Eatsの成長において大きな影響を与えたとみて良い。