Uber Eatsの「家電デリバリー」は成功するのか? サービスの課題について考える
Uber Eatsが、3月30日から家電のデリバリーサービスを開始した。家電量販店のエディオンとタッグを組み、電池や電球などの消耗品のほか、体温計やパソコン周辺機器、小型家電などを配送する国内初の取り組みだ。
まずは、東京の「エディオンAKIBA」および、大阪の「エディオン道頓堀店」「エディオン心斎橋店」の3店舗で実施される。これらの店舗の配送対象地域では、Uber Eatsの配送元店舗のひとつとしてエディオンが表示され、料理を選ぶのと同じような感覚で家電を選び、自宅まで届けてもらうことができる。
「欲しいと思ったときにすぐに手元に届く」のがUber Eatsのメリットだが、実際にどの程度ニーズがあるのだろうか。普及にあたっての課題を考えてみた。
「送料無料、翌日配送」の競合に勝てるか?
そもそも、家電が「いますぐ欲しい」という状況は限定的だ。具体的には、いつも使っているドライヤーや体温計が急に壊れた、電球が切れてしまった、乾電池の買い置きがないといった状況が思い浮かぶ。
しかし、これらのシチュエーションであっても、手元に届くのが少しだけ遅くてもよいのであれば、他の手段を選ぶことができる。
たとえば、Amazonプライムの会員向けオプション「お急ぎ便」は、商品在庫があれば翌日に商品が届くケースが多い。地域や注文のタイミングによっては、当日中に届けてもらえる場合もある。さらに、プライム対象商品の場合は送料も無料だ。
また、ヨドバシカメラのオンラインストア「ヨドバシ.com」の場合、送料は誰でも無料。こちらも在庫のある小型家電や消耗品などは、翌日もしくは当日中に届けてもらえるケースが多い。
Uber Eatsのように、数時間以内にすぐに手に入れることはできないが、半日から1日程度待てるのであれば、こちらの選択のほうが送料がかからないだけお得感がある。
消耗品の場合、「自分で実店舗に買いに行く」という選択肢も現実的だ。取り扱い商品のなかで「すぐに欲しい」という状況になる可能性がもっとも高そうなのが乾電池だが、商品ラインナップを見ると、現状で扱っているのは2本450円の有名メーカー品のみ。この価格であればコンビニと変わらないので、送料をかけて配達してもらうより、近所のコンビニに走ったほうがよいと考えるユーザーもいそうだ。