童田明治は苦難を乗り越え、自然体な優しさと強さで歩き続ける

 『リアルサウンド テック』で書かせていただいているこのヴァーチャルタレント連載内で何度か触れたように、活動が一気に多忙化したことによって体調を大きく崩してしまったり、さまざまな誹謗中傷が相次いでしまったことで、活動を一旦休止し、それどころか引退をするタレントが散見されるようになってきたのも事実だ。

 つい先日には、にじさんじ内においてムードメーカーな振る舞いで人気を集めていた本間ひまわりが、新型コロナウィルスに感染して自宅療養を余儀なくされていたと公表し、にじさんじファンだけでなくヴァーチャルタレントを知る多くの者にショックを与えた。そんな彼女のもとには、にじさんじ内外に関わらず、すでに引退してしまった方々からもメッセージが届いたという。

 復帰配信のなかでも多く方々に感謝を述べつつ、本間が名前をあげたのが本稿のヒロインである童田明治なのだ。この配信中にも視聴者としてコメントするだけでなくLINEを送っているほど、彼女は本間ひまわりの体調を気遣っている姿を見せていた。

 童田がもともと数年来に渡る本間ひまわりのファンであり、2年前にも入院した本間ひまわりを気遣っていたことを鑑みても、「精神的・身体的な不安を払拭したい」「大切な存在を失いたくない」という強い衝動からくるアクションだったと想像してもおかしくはないだろう。

 彼女の活動の中でも長く続いているASMR配信では、睡眠導入や癒しをテーマにし続け、これまでに30回以上に渡って届けられてきている。ファンからの根強い人気があるだけではなく、彼女の中にある「他者への慈愛心」ともいえる強いマインドが、ここには強く反映しているように見えてくる。

 そんな童田自身も2020年12月から病気療養を余儀なくされ、2021年4月12日に復帰配信を行なった。普通ならしんみりとしてしまいそうな瞬間だが、下記のようなトピックがあり、彼女の自然体な姿を見ることができた。

・開始早々、久々となった前口上で自身の年齢を忘れてしまい、「設定を忘れるな」とコメントでツッコまれる
・いままでできなかった『CLANNAD』『リトルバスターズ!』『Summer Pockets』『Rewrite』などのKey作品を療養中のベットでプレイしていたこと(ストーリー上、病院と死にまつわる部分が多数あるゲーム)
・「泣きそう」とコメントしたリスナーに対し「泣くな!胸を貸してやる!」と何度も慰めようとする
・憧れのクリエイターであるじんが復帰を祝うツイートをしていると知ると、1分近く放心し、自分が号泣してしまう
・御伽原江良の引退について語り、ファンに思い出を話す

 約半年ぶりとなったこの配信は、笑いと涙が混ざり合った名シーンに彩られることになったのだ。

 Twitterのプロフィールに「半療養中」とあるように、童田は自身の体調を第一にした配信ペースで活動している。Rain Dropsのメンバーとしても、ハイトーンなソプラノボイスで6人のボーカルワークに華を添える存在となっており、こちらの活動に重きを置きつつ、徐々にYouTubeでの配信にも復帰していく予定だ。

 二度に渡る大きな別れ、自身の体調不良、それら全てを受け止め、なおも活動を続けようとする彼女、柔らかい笑顔と声の裏に潜んでいるのは、慈愛の心と気持ちの強さだ。それらは、今後の彼女が歩んでいく道のりのなかで大切な美点となり、時として迷える者を導くコンパスになっていくだろう。

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