ARエフェクトを導入した『ヒロアカ』フィギュアを発売 SEGAが新ブランド・S-FIREを立ち上げた理由

ARエフェクトの表現を入れることで新規性のある商品に

 さらに注目すべき点は、専用のアプリを用いたARエフェクトで両キャラクターの技(個性)を表現していることである。

 立体物として楽しめるだけでなく、テクノロジーを活用した新たな付加価値を見出しているのが、S-FIREの最大の特徴とも言えるだろう。

 そんなS-FIREの目指すところは「作品を知らなくても、造形美を見て欲しくなるようなフィギュアを生み出すこと」だと竹中氏は意気込む。

「キャラクターの服装やシュチュエーションなど、他社がやっていないものを見つけ出し、S-FIRE独自の解釈を通して、質の高いフィギュアを作っていきたいと思っています。今回はARを活用したエフェクトも盛り込んでいますが、扱うタイトルによってエフェクトがふさわしくないものには搭載せず、あくまで付加価値を出せるか否かで考えています。今後はゲームやアニメ、漫画の原作などにはこだわらず、一定以上の認知度を誇るものについてはフィギュアとして出していきたいので、まずはフィギュアとしての完成度を高め、お客様の期待を超えられるようなものを世に出していきたいですね」

まずはクオリティを最重視し、市場の信頼を獲得していく

 フィギュアを販売するメーカーは多く、入れ替わりが激しい業界と言える。

 これからSEGAはS-FIREをどのような事業へ育てていく予定なのか。

「ハイクオリティフィギュアのニーズは、大きく2つに分けられます。ひとつはアニメの名シーンやファン生粋のシチュエーションに特化したフュギュア。もうひとつは、等身大に近しいサイズで、キャラクターの風格や外見を精巧に作るフィギュア。S-FIREは現状のところ前者をメインに考えていて、中長期的な拡大路線のなかで、新ブランドが、弊社の新しい事業の柱になればと捉えています」

 これから本格的に新事業に乗り出すSEGA。

 最後に将来の展望について竹中氏へ聞いた。

「一度立ち上げたからには、大手メーカーさんと肩を並べられるくらいの規模までブランドを成長させていこうと思っています。お客様が求めるものをフィギュア化し、商品ラインナップを増やしていくことで、多様なニーズに応えていきたいですね」

 S-FIREのフィギュアは受注生産品として展開していくからこそ、クオリティにこだわって制作することを意識し、キャラクターの個性や雰囲気が伝わるようにひとつひとつ丁寧に作品を手がけていくと竹中氏は話す。

「留意しなくてはならないのは、見本の写真やデコレーションマスターは良い出来栄えに見えても、一般に出回る量産品がいまひとつだとお客様の期待を裏切ってしまうこと。こうならないためにも、最初のうちは市場の信用づくりから取り組んでいき、着実にブランド認知を広められるよう尽力していく予定です」

 SEGAの新ブランドの動向に今後も注目したい。

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