Galaxyは国内のiPhoneに代わる存在となれるのか? オリンピックモデルやネトフリ韓ドラに起用

攻略のカギは新たなイノベーション

 近年、サムスンは「折りたたみスマホ」に力を入れている。2019年の「Galaxy Fold」を皮切りに、2020年には「Galaxy Z Fold 2」「Galaxy Z Flip」を発売した。今月行われる発表会「Galaxy Unpacked 2021」では、新たな後継機種が登場する予定だ。

 現在、サムスンは、高価格路線はAppleに、中・低価格路線は中国ブランドにユーザーを奪われている。幅広いラインアップで対抗しているが、徐々にポートフォリオは崩壊に向かっているといえるだろう。

 そこで現状を打破し、新たなイノベーションを起こすために、折りたたみスマホをプッシュし始めたのだ。

 折りたたみスマホが一般化すれば、黎明期から力を入れてきたサムスンは当然有利となる。前述した日本のiPhone市場に攻勢できる可能性は高い。特に、低価格化や薄型・軽量化が実現すれば、カルチャー重視のマーケティングを通して、日本の若者を中心に訴求することは十分に可能だろう。

 しかし、折りたたみスマホの普及には、まだまだ時間がかかる。一般的なスマホに比べて高い値段設定、万人には扱いづらい厚さや重量、画面割れなど耐久性の心配……。こうした課題をクリアしなければ、一般層に普及するのは難しい。現状では、ガジェットオタクを中心に話題を集めている程度だ。

 とはいえ、サムスンはむやみに折りたたみスマホを作っている訳ではない。現在、折りたたみスマホは、モトローラやHUAWEI、シャオミなどから発売されており、今後も中国ブランドを中心に続々と登場する噂がある。

 こうした中、サムスンとしては数年以内に決定的な製品を生み出し、「折りたたみスマホ=Galaxy」のイメージを定着させる必要があるだろう。その上で、他社にノウハウを提供できれば、企業として理想的な形といえる。

 ただし、日本のiPhone市場に関しては、Appleの折りたたみスマホ市場への参入が何よりの課題だ。当然、市場が激化すれば、Appleが参入してくるケースも考えられる。中国ブランドの台頭、そしてAppleの参入。サムスンに残された時間はあまりにも少ない。

Galaxyのイノベーションに期待

 今月行われるサムスンの新製品発表会「Galaxy Unpacked 2021」では、折りたたみスマホの後継機種の登場が予想されており、その全容が注目されている。

 スマホ市場は入れ替わりが激しい。数年単位で情勢が変化し、それまで地位を築いてきたブランドは、あっという間に陥落する。

 サムスンは、数多くの企業が失敗してきた流れを断ち切れるのだろうか。そして、折りたたみスマホがイノベーションを起こし、世界はもちろん、日本のiPhone市場を制することができるのだろうか。今後の動きに要注目だ。

(画像=Galaxyより)

<source>
https://www.galaxymobile.jp
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/02honpen.pdf

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