R藤本やゴー☆ジャス、アイデンティティなど、キャラクター芸人がYouTubeで大活躍 相性の良さの要因を探る

 俳優やミュージシャン、アイドルや芸人をはじめ、今やオフィシャルYouTubeチャンネルを持つことは、当たり前に等しくなった昨今。TV出演だけではなく、YouTubeでの見せ方を考える芸能人が増えてきた。

 きっかけとなったのは、やはり2020年春以降のコロナ禍。外出などの“自粛”措置が加速、それに伴い人々の“ステイホーム”時間が増加し、YouTubeを視聴する層や視聴時間が拡大されたことによるものだと考えられる。同じくTV側にも、ロケの難しさや出演者の縮小などによる変化が起こったことを機に、佐藤健や石橋貴明をはじめ、多くの大物芸能人がYouTubeに可能性を見出し参入した。

 それまでは、YouTubeは主にYouTuberが活躍する場所であり、ある意味TVとの差別化が図られていたが、現在ではその参入の多さから、視聴層や再生数を獲得するのが以前より難しくなってきている。

 そんな中、安定した数字を見せているのが、そのキャラの強さが売りの“キャラクター芸人”たちだ。

ベジータ一筋15年、孤高の芸人・R藤本

 まず紹介するのは、アニメ・ドラゴンボールのベジータのモノマネを15年やり続けているピン芸人・R藤本。ベジータが憑依している芸風で、どんな大物芸能人相手でも、ベジータさながらの“王子口調”で大胆に切り返すためか、はたまたドラゴンボールを知らない相手とは話が合わないためか、TVでの活躍の場所は決して多くはなかった。

Battleful Days【FullHD版】

 それを予測してか、R藤本は、2009年から現在にかけて、毎週ニコニコ生放送で自身のレギュラー番組『R藤本の水曜はじけてまざれ!』を配信。毎週お便りが送るようなコアなファンを着実に獲得しながら、YouTubeも2013年と早い段階からスタートさせている。開設直後の2013年9月に投稿した動画『Battleful Days』は2021年8月現在で、538万再生を記録。Dragon ashの名曲『Grateful days』をベジータ芸人・R藤本と、フリーザ芸人・BAN BAN BAN山本、ピッコロ芸人・渡辺一丁、ヤムチャ芸人・バードフミヤで、ドラゴンボールラップに変換。映像も含め、意外なクオリティの高さで、大ヒット動画となった。

 その他にも、2015年にリリースされたゲームアプリ『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』のゲーム実況を、現在も定期的に配信しており、毎回10万再生以上の安定した数字を見せている。

キャラクター芸人の強みとは?

 R藤本以外にも、宇宙海賊を名乗るピン芸人・ゴー☆ジャスも同じく、そのキャラクターの強さやギャグを中心とした芸風によって、TVではピンポイントでの出演がおなじみだった。

【モンスト】10連ガチャ対決!ヒカキン VS ゴー☆ジャス!負ければ罰ゲーム! 【GameMarketのゲーム実況】

 しかし、そのキャラクターの強さという画面映えする見た目や、意外な物腰の柔らかさなどが、ゲーム実況向きであったりと、アプリゲーム『パズル&ドラゴンズ』を介して、ネット民にヒット。2013年頃よりマックスむらいが運営するApp BankのYouTubeチャンネルなどで徐々に頭角を現した。2014年より自身のYouTubeチャンネルも開設しており、2021年8月現在、50万人を目前とする登録者と共に安定した再生数を見せている。

 その他にも、同じくドラゴンボール・孫悟空の中の人である野沢雅子のモノマネ芸人・アイデンティティは、野沢雅子でヒット曲を歌うといった『FIRST TAKE』を模したシリーズがYouTubeで大人気。Official髭男dismの「Pretender」カバーは848万再生を記録している(2021年8月現在)。

アイデンティティ田島による野沢雅子さんの「Pretender」

 いずれも、キャラクターが強く憑依しており、素の状態を見せるのが難しく、TVではピンポイントで使られ方を余儀なくされてきた芸人たちだ。

 しかし、YouTubeではTVとは違い、短い時間でいかに個性を見せれるか、セットや予算が少ない中でも、いかに画面上を映えさせ、目を引かせるかがポイントとなってくる。そんな中で“キャラクター芸人”たちは、その名のごとく、身一つで画面上を映えさせ、持ち前の芸や、一貫したキャラクターで視聴者の数分という時間を惹きつける。

 TV上でピンポイントで使われてきた爆発力のある芸人ほど、YouTubeとの親和性は高いと考える。YouTubeには、豪華なセットもロングトークもひな壇も必要なく、いわばTV上のそこにハマらなかった芸人ほど、YouTube向きと言えるのではないだろうか。

 ジャンルは違うかもしれないが、大物でいうと、同じくコロナ禍の2020年2月よりYouTubeをスタートさせた江頭2:50もまたキャラクターの強さから、TVではピンポイントの出演を余儀なくされてきた芸人と言える。しかし江頭もまたYouTubeの参入を大歓迎され、開設1週間程で登録者は100万人を達成。早い段階で200万人も突破し、現在も伸び続けている。

 いわばYouTubeは、視聴者がこれまでもっと見たかったが、見ることができなかったコアな活躍をしてきた芸人たちを、好きなだけ選択して見ることができる気の利いた媒体なのである。



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる