オタク×現役地下アイドルの男女YouTuberコンビが人気拡大中 「アイドルのいる生活」に聞く“これまでとこれから”

「アイ生」が語る“これまでとこれから”

 幼なじみの男女二人によるYouTuberコンビ「アイドルのいる生活」が勢いに乗っている。オタクでありながらイケメン日本代表(自称)で、プロデューサー気質のミヤビと、現役地下アイドルにして永遠の16歳(自称)、天然な愛らしさにあふれた「もか」はともにタレント性が高く、“ビジネスカップル”ながら二人の関係性にドキッとさせられる企画も人気を博している。

 そんな二人は現在、YouTuber向けの総合型クリエイター・エージェンシー「avex fav(エイベックス ファブ)」に所属し、さらに大きく羽ばたこうとしている。今回は二人に、これまでの道のりと今後の夢、そして本音でお互いをどう思っているのか、じっくり聞いてみた。(編集部)

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最初に出会ったのは小学校時代

ーーまずはあらためて、お二人の出会いから振り返っていただけますか。

ミヤビ:僕らは幼なじみで、最初に出会ったのが小学校でした。地元は仙台なんですけど、家が近くて、よく遊んでいたんです。でも、5年生になって僕が東京に引っ越すことになり、そこから疎遠になって。僕が東京で大学に通い始めてからも、もかは仙台でアイドルをやっていたので、全然連絡を取っていなかったんですよね。そんななかで、もかも上京してくることになって、でもコロナ禍でアイドル活動もほとんどできないから、僕がもともとやっていたYouTubeを一緒にやろう、ということになっていまに至ります。

ーー小学生のときのお互いの印象はどうだったんですか?

ミヤビ:もかはヤンチャでしたね。いまの印象とは180度違って。

もか:たしかに(笑)。

ーーガキ大将みたいな感じだったんですか?

もか:そうですね、ほぼ男です。ファッションも全然可愛い系じゃなくて、毒キノコの服とか着てました。理科の先生に「毒キノコちゃん」って呼ばれていて(笑)。

ーーだいぶクセの強いお子さんだったんですね(笑)。逆にもかさんから見たミヤビさんはどうでしたか?

もか:いまとそんなに変わらないですね。

ミヤビ:小さいころは勉強ばっかりしていて、メガネをかけたガリ勉みたいな。

もか:たしかに陰キャだったね。

ミヤビ:その意味ではいまと変わらないです……って失礼だな!(笑) もかなんて、いまでは考えられないですけど、筆箱のなかでダンゴムシを飼ってたんですよ。

もか:恥ずかしい! 2段の筆箱が流行っていて、上にペンを全部入れて、下がダンゴムシの飼育セットになっていて……。土と草を入れて、小さな校庭みたいにして、そこでダンゴムシを3~4匹飼っていたんです。

ミヤビ:それを見てドン引きしたんですけど、スクールカーストの上の方だったので逆らえなかったんですよ(笑)。基本的には仲良しでしたけど。


ーーそこからミヤビさんが引っ越して、少し離れた時期があって。

ミヤビ:そうですね。LINEも知らなかったし、YouTubeを始めるときもTwitterのDMで連絡をしたくらいで。本当に全然連絡をとっていなかったので、僕らの最初の方の動画を見ると、ちょっとぎこちない感じも出ていたりしますね。

ーーもかさんがアイドルをやっているのは、Twitterで追いかけていたんですか?

ミヤビ:そうです。ずっと知っていたんですけど、連絡は取っていなくて。

ーーもかさんは、なぜアイドルになりたいと思ったのでしょう? “ダンゴムシ時代”から少しギャップがあるのかなと。

もか:もともとアイドルにはまったく興味がなかったんです。でも、小学校3年生くらいからダンスを習っていて、中学1年生の時に別のダンス教室に行こうと思ってチラシを見たら、オーディションのお知らせがあったんですよね。それで、「このオーディションを受けたら、一生踊って暮らせるんじゃないか」と思って受けることにして。レッスン生のときにBiSさんを見る機会があって、それがめちゃくちゃカッコよくて、「アイドルって素敵だな」と思うようになりました。

 そうしてグループに入ることになって。いまは解散してしまいましたが、そのときの目標が、宮城県の一番大きな会場=セキスイハイムスーパーアリーナを満員にすることだったんです。結局、メンバーの誰もまだそれを達成できていないので、いまもアイドルとしての最終目標として頑張っています。

ーーそんななか、東京のミヤビさんはどんな活動をしていたのでしょう?

ミヤビ:男友達と二人でYouTubeをやっていました。大学受験のとき、「このまま普通に人生が進んでいって楽しいのかな……」と思ってしまった時期があって。そのときにYouTubeを見ていて、東海オンエアさんみたいに仲間と一緒に楽しみながら仕事をしている感じにすごく憧れたんですよね。それでチャンネルを開設して動画を投稿し始めたんですけど、それがまったく伸びなくて、結局やめることになって。

 そこで、まずはお金が稼げないと続けられない、ということに気づいて、目標を「稼ぐこと」に変えたんです。そう考えたときに、当時、男女二人組のYouTubeチャンネルが人気になってきていて、ちょうどもかの夢も頓挫しそうになっていた時期だったので、一緒にやらないかと。いまはお金よりも、もかの夢を叶えたい、そのためにもチャンネル登録者数100万人を達成したい、と思っていますが、最初はそんなきっかけでした。

ーーもかさんは小学校以来のミヤビさんからアプローチを受けて、どう思いましたか?

もか:私はYouTubeに全然詳しくなくて、「何言ってるんだろう……?」って。

ミヤビ:そんな感じなので、2~3回話した上で、突然パッとカメラを回したんです。「カラオケの点数で負けたら俺とYouTubeをやれ!」みたいな企画で、これ、本当に事前に言っていなくてガチなんですよ。

もか:歌の最中にすごく妨害してくるし……。

ミヤビ:だから、「ここから始めよう」というきちんとした話もなしに、スルッと始まったんです。

地下アイドルをYoutubeに誘いました…

叩かれることも覚悟で同棲生活へ

ーー少し前の強引なバラエティ番組みたいですね(笑)。初期の動画から順を追ってみていくと、ドキュメンタリーのように二人の関係が変わっていく様子もわかりますが、やっぱりぶつかったこともありますか?

ミヤビ:ありますね。これはYouTubeをやっているというのは関係なく、普通のカップルでも、同性の友達の関係でも、お互い違う人間だからこそ生まれる衝突ってあるじゃないですか。そのときに、どちらかがバーッと意見を言ってしまうと、収拾がつかなくなりますよね。だから、解決するのは一度時間を置いて、冷静になって話し合う、というプロセスしかないと思っていて、二人で揉めたときはそういうふうにしています。二人とも、根底にはYouTubeを頑張りたいという思いがあるので、ぶつかるときはちゃんとぶつかって、お互いに改善していこうとは考えていますね。

ーーもかさんの視点だと、YouTuberになって、しかも幼なじみとはいえ男性と一緒に住む、となると葛藤があったと思いますが、いかがでしょう?

もか:そうですね。一応、ずっとアイドルをやってきたので、男女でYouTubeというのは叩かれるだろうなぁ……ってすごく考えたんですけど、ここまで押されたらやってみようかなって。やっぱり最初の方はずっと叩かれて、けっこう辛かったんです。でも、始めたからには中途半端で終わりたくなくて、100万人という目標を掲げて「何を言われても折れないぞ!」ってがんばり続けていたら、それを認めてくださるファンの方もいて。いまは新しく応援してくださる方もいますし、心強いです。

ミヤビ:地下アイドルって、ファンの方が密にコミュニケーションを取れますし、関係性が深いので、当然、僕のことを嫌う人もいますし、彼女に心ない言葉が投げかけられることもあって。もかはこう見えて本当にファン思いで、自分のことを応援してくれる人に気を遣える子なので、人一倍落ち込んでしまって、何日もダウンしたこともあります。まだ引きずりながらやっている部分もあると思うんですけど、そのなかで結果を出していくうちに応援してくれる人が増えているのはありがたいことだなと。

ーーお二人はそれぞれ、最初に入ったアイドルグループ、友人と始めたYouTubeでうまくいかなかった経験がありますが、そこでの学びは今の活動に活かされていますか。

もか:私、あんまり人にものを言えなくて、「ホントに無理!」ってなったときに爆発してしまうタイプなんです。それがよくないことはすごくわかっていたので、いまは“まとめてボン!”ではなくて、思ったことはきちんと小出しで言うことにしています。ミヤビくんはわりとなんでも言いやすいので(笑)。

ミヤビ:僕は、前のYouTubeチャンネルが二人の関係性が悪くなったからではなく、数字が出なかったことで頓挫してしまったので、いまはYouTube上でとにかく結果を出すことを意識しています。もかだって、自分にメリットがなければ続ける意味がないじゃないですか。だから本当に24時間、ずっとYouTubeの企画だったり、もっと伸びるための方法を考えながら生活している感じです。いろんなYouTuberさんの動画を見て、どういうものがウケるのか分析するのが好きで、一生懸命やっています。

ーーミヤビさんは学業も並行して続けていますね。

ミヤビ:YouTubeはいつまで続けられるかわからないし、勉強もきちんとしておきたいんですけど、正直、忙しくて回っていないですね。崩壊してます(笑)。

ーー世代的に、周りにもYouTubeをやってみよう、という人は多そうです。

ミヤビ:多いですね。でも、うまくいく人は一握りで、自分自身もまだうまくいったとは全然言えないんですけど、同世代の中では頭ひとつ抜けられているかなと。

ーー抜きん出るために重要だと思うのは、どんなことですか?

ミヤビ:YouTuberになると、実際すごくバカにされるんですよ。僕も成人式で先生にいじられて、友達にもバカにされたこともあって。いまもそんなに稼いでいないですけど、最初はまったくお金も人気もないし、「ただふざけているやつ」という感じで見られて。それを乗り越えて、自分は正しい、と思いながら突き進むことが大事なのかなと思います。もちろん、間違った方向ではなく、ちゃんと正しい方向に。

ーーなるほど。そうしてミヤビさんが舵取りをして進んでいるイメージですが、もかさんは動画に出る上で意識していることはありますか?

もか:ないです! 本当に自然体で、あまり考えたら面白くないので、思ったことをやっています。

ミヤビ:考えない方がいいタイプなんですよ。考えるのは僕がやるので、今後も何も考えずにやってほしいですね。


ーーミヤビさんがYouTubeを研究している分、もかさんがそこに染まっていないというバランスがいいのかもしれませんね。チャンネル登録者数もかなりの勢い増えていますが、人気を実感する場面も増えましたか?

もか:まったくないです……。

ミヤビ:チャンネル登録者が10万人くらいいったら、原宿でキャーキャー言われて歩けないと思ったんですけど、全然そんなことなくて。変装もしたことがないし、サインも決めていないし、何も変わらず普通に生活しています。

「エイベックスには大好きなBiSHさんもいる!」(もか)

ーーさて、カップルチャンネルの人気は高まっていますが、お二人のようにいわば“ビジネスカップル”で、本当に付き合っていないのか、それとも……と、その関係性が気になってしまうようなチャンネルはあまり多くないですね。

ミヤビ:そうですね。たぶん難しいんだと思います。僕らは幼なじみで親も知っていますし、特殊というか、普通の男女だったら無理なんじゃないかなと。僕にとっては、もかという存在を見つけられたのが奇跡で、それが強みだと思っています。本当に運が良かった。

ーーどれだけ仲がよくて信頼関係があっても、他の女友達と組むとまた別ですもんね。

ミヤビ:やっぱりちょっと違いますね。相手が他の女の子だったら、僕も無邪気に楽しめないと言うか、ちょっとカッコつけちゃったりしますから(笑)。もかだから、童心に戻って楽しめるんです。視聴者さんはそんな僕らを見て楽しんでくれていて。だんだん保護者みたいな感覚になってきていますね。

もか:たしかに! 「おかえりー」って言ってくれる方もいたり。


ーーそしてさらに大きなステップアップとして、エイベックス社が新たに設立した総合型YouTuberエージェンシー「avex fav」に所属することになりました。連絡はいきなりだったそうですね。

ミヤビ:そうですね。突然メールが来て、最初は詐欺か、あのエイベックスではなく同じ名前の別の会社だと思っていました(笑)。それで返信にも戸惑ったんですけど、やりとりをしていたら本社に来てください、と言われて。エイベックスには人気アイドルもたくさんいますし、もかがアイドルとして活躍できる場所を提供してもらったりもできるのかな……ということで、二人で話し合って入ることにしました。

もか:私も最初は信じられなかったのですが、エイベックスには大好きなBiSHさんもいるし、これはチャンスなんじゃないかって。YouTube専門の事務所さんより、自分たちが活かせるのかなと思って、ミヤビくんの話に賛成しました。

ーーフリーだった頃にはできなかったこともできるようになると思いますが、新しくチャレンジしたいことや目標はありますか?

もか:『逃走中』(フジテレビ系)に出たいです!

ミヤビ:それ、もっと上に行ってからだよ。YouTubeでの目標はないの?

もか:YouTubeの目標……?

ミヤビ:なさそう。僕はやっぱり、もかがアイドルグループで実現できなかった、仙台のアリーナを埋めるというのが目標です。年齢というタイムリミットもあるので。

もか:いやでも、永遠の16歳だから!

ミヤビ:って言ってるんですけど、普通に23歳なので(笑)。無理できるうちにしっかりチャンネルを伸ばしておかないとな、とは思っています。現実は、編集も全部自分でやっているし、自転車操業で毎日大変なんですけど、夢を持ってやっていきたいですね。きちんと成功して、アイドルと言われる年齢じゃなくなったときに、僕たちがアイドルをプロデュースする立場になる、みたいなことができればすごく面白いと思うし、将来的にやれることはたくさんあると思うので。

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