ピクトグラム、五輪効果でYouTube上でも流行の兆し? チョコプラ、水溜りボンドが創意工夫溢れたパロディ披露

 東京オリンピック開会式で話題沸騰となったピクトグラムパフォーマンスが、YouTubeでパロディ化されている。

 7月23日に行われた五輪開会式。その平均世帯視聴率は56.4%、瞬間最高視聴率は驚異の61.0%に達した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。国民の半数以上が熱視線を送ったと想定される記念すべきセレモニーにおいて、とりわけ注目を浴びたのが、50競技を動くピクトグラム(絵文字)で表現したパフォーマンス。青と白のコスチュームをまとったパントマイムのパフォーマーが、全50競技のピクトグラムを実演し、大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。

 この国民的行事の華となった“映える演目”を、動画クリエイターたちが無視できるはずもない。現在YouTube上では様々なピクトグラムに関するパロディ・MAD動画が投稿されており、その火付け役となったのが7月26日、チョコレートプラネットの公式YouTubeチャンネルに公開された「ピクトグダグダム」と題した動画だ。

ピクトグダグダム

 本家は、異なるピクトグラムをリズムに乗りながらテンポよく再現したことで称賛を浴びた。しかし、「ピクトグダグダム」は文字通りグダグダ。新国立競技場のステージを舞台とし、時に映像を駆使しながら洗練されたパフォーマンスを披露した本家に対して、チョコプラが発表の場に選んだのは会議室。いかにも急いで用意したようなチープな小道具と、ホワイトボードを活用して30個の競技をなんとか消化していた。

 特筆すべきは、「ピクトグダグダム」が開会式のわずか3日後に投稿されたということ。7月28日にチョコプラの公式チャンネルに公開された動画で長田庄平は、このパロディ動画を振り返って「あれはスピード勝負でしょ。確実にやられるからね」と述べ、「(開会式を)見てて終わった瞬間、YouTubeのグループLINEに『あれできないか』と。たまたま次の日にYouTubeの撮影だったんですよ。そこでやろうと。『全身タイツとボードと適当に何か用意しておいてくれ』って言って、ほとんど即興でやってみようって」と制作秘話を明かしていた。

 この判断が功を奏し、7月31日時点で「ピクトグダグダム」は再生回数190万回を突破。急上昇ランキング1位に獲得している。開会式の余熱が十分に残っているタイミングで、かつ、誰も目立ったピクトグラムのパロディ動画をアップしていないうちに迅速にネタ化させた、長田のファインプレーが光る。

 チョコプラが先に演じてバズを起こした以上、これ以降、単にピクトグラムを演じる動画を投稿したとしてもインパクトは薄い。なんらかの“ひねり”が必要だ。

 そんな中、“YouTuberあるある”で20個のピクトグラムを実演するというアプローチをとって、見事急上昇ランキングへのランクインを果たしたのが、水溜りボンドのカンタだ。カンタは7月29日、水溜りボンドの公式YouTubeチャンネルに「【全20種目】YouTuberピクトグラム」と題した動画を公開。「ゲーム実況」「心霊動画」「THE FIRST TAKE」「メントスコーラ」など、YouTubeユーザーであればお馴染みの記号化されたYouTubeのサムネイルを次々と表現し、評判を呼んだ。

 まだまだ遊びの余地がありそうなピクトグラム。芸人であるチョコプラに先手を取られた、YouTuberたちの創意工夫溢れる逆襲を期待したいところだ。

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