『わたママ』1話ーー高校生で結婚・出産を決意した理由 「絶対に間違った選択はしたくなかった」

『わたママ』1話レビュー

 “2人で決めたルール”も、印象的だった。それは、娘の顔と名前を公表しないこと。「どんな子に育つか分からない分、世間に顔が知られてると嫌だなって思うかもしれない。SNSが主流になってきている分、どこからでも嫌なことを言える」。SNS全盛時代に生きる2人が、ここまでネットの怖さを痛感したのは、アンチの存在があったから。

 2人が、妊娠を報告した時に殺到したSNSのコメントは、優しいものばかりではなかった。「おめでとう」の声よりも、多かった批判の声。15歳で妊娠、高校生カップルの結婚……というセンセーショナルな話題に、ファンのみならずさまざまな世代の関心が集まった。

 筆者も正直、“しゅんまや”が妊娠・結婚を発表した時は、「大丈夫なのかな……」と少しハラハラしてしまった。SNSに直接アンチコメントを書こうとまで思う人は少数派にしろ、高校生カップルが親になると知って、心から「おめでとう」と思える人は多くはなかったはずだ。けれど、このドキュメンタリーを見て、2人を見る目が大きく変化した。

 出産を経験して、「この痛みとかしんどさを、世の中のお母さんたちは経験している。感謝と尊敬の気持ちでいっぱい」と語るまや。「生きていく意味というか、命の大切さを知った」と呟いたしゅん。2人が、相当な覚悟を持って、新たな命を産み育てる決意をしたのだと伝わってくる。今もなお、必死に子育てと向き合っているということも。

 だからこそ、背中を押すことはあっても、アンチコメントを綴って足を引っ張ることは絶対にしてはならない。

 ただ、この話を美談にしてはいけないとも思う。彼女たちは、出産前からすでに自立できるだけの収入があり、子どもを育てていけるだけの経済的余裕があった。まやの周囲には、協力してくれる家族や友だち、事務所の人たちがいて、移住を決断してくれる夫がいる。まやの母も、「まやちゃんがやってるから大丈夫みたいな感じではしてもらいたくない」と話していたように、普通の高校生カップルが子育てをするには、世の中はまだまだ厳しい。

 次週、7月27日に放送されるEpisode2では、「側にいる人から見たあのときと今の私」が配信される。夫のしゅんや、まやの母、妊娠発覚時に一番側にいた友だちが見た姿まで、さまざまな角度からまやの素顔が明かされていく。1週目から、かなりの内容が詰めこまれていた『わたママ』。来週も、色んなことを考えさせれられる回になりそうだ。

【場面写真】困難を乗り越えた出産シーンも

■番組概要
『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』
配信日時:毎週火夜10時~
配信チャンネル:ABEMA SPECIALチャンネル
配信URL:https://abema.tv/video/title/90-1538

(C)AbemaTV

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