ディスプレイは「肌に貼る」時代に 曲げ、延ばし、フルカラーまで

ディスプレイは「肌に貼る」時代に

 韓国サムスンは生体センサーを内蔵し、肌に貼り付けられるディスプレイを発表した。この技術を応用すれば、ウェアラブルディスプレイはさらに薄型化/小型化する可能性がある。

曲げ/延ばしが可能なディスプレイ

 今回サムスンが開発したのは、心拍数モニターを内蔵した有機ELディスプレイだ。薄型のディスプレイは肌に貼り付けられるだけでなく、最大30%引き伸ばすこともできる。これにより、手首などの関節部分でも剥がれることなく利用することが可能となっている。

 このフレキシブルディスプレイは常に肌に接し続けるため、正確な生体データの測定が可能となる。例えば心拍数の計測では、通常のシリコン製のセンサーと比べて2.4倍の強度での測定が可能だった。また、本体を繰り返し引き伸ばしても、センサー性能が損なわれることはなかったそうだ。

 サムスンは今後、このフレキシブルディスプレイの解像度や柔軟度、さらには生体データの測定精度を高めたいとしている。また心拍数だけでなく、酸素飽和度や筋電図、血圧などを測定する計画だという。

国内勢はフルカラー化に成功

 このような肌に貼り付けられるディスプレイを開発しているのは、サムスンだけではない。大日本印刷と東京大学は2020年7月、フルカラー表示が可能な「スキンディスプレイ」を発表した。

スキンディスプレイは繰り返しの伸び縮みに対応する超フレキシブルな電子回路基板を採用することで、手の甲に貼り付けられるサイズ感を実現。また12 x 12個のフルカラーLEDを組み合わせることで、鮮やかなカラー表示を実現した。

大日本印刷によれば、このような肌に貼り付けるデバイスを利用することで、スマートフォンやタブレットよりも情報のアクセシビリティが大幅に向上するとの展望を述べている。

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