スマホ世代に届けるニュース番組の工夫とは? ABEMAが報道番組初のシネマカメラを導入してまで「映像」にこだわる理由

新しい未来のテレビを探求する

 このような努力をABEMAが行うのは、ニュースをいかにユーザーに届けるか、という点と新しいテレビの形を模索するためだ。

 編成統括本部報道局局長の山本剛史氏は、「ABEMAは新しい未来のテレビのあり方を探求している」のだと言う。

 「ABEMAは、テレビを新しくより便利なものにしていくことを立ち上げ当初から一貫して目指してきました。昨年、サービス名から『TV』が取れてABEMAとなりましたが、我々が追求しているのはあくまで“新しい未来のテレビ”の形です。開局当初から代表の藤田(晋)が言い続けていますが、報道が柱にあることで、メディアとしての信頼に繋がると考えています」(山本)

 スマホネイティブ世代は、SNSやLINEニュースなど、様々な手段でニュースに接しているはずだ。そんな環境の中で、映像でニュースを届ける意義をどのように考えているのだろうか。

 「スマホとテキストニュースの相性は確かに良いと思いますが、一方で映像だから伝わるものもあると考えています。百聞は一見にしかずという言い方がありますが、現場のリアルな雰囲気や言葉遣い、表情からも伝わるものがあるはずです。

 ABEMAは、24時間365日ニュースを発信し続けられるニュース専門チャンネルをもつ、日本唯一のサービスです。その特性を活かして恣意的に切り取られていない情報をいち早くお伝えできますし、一方で時間をかけた深い議論ができる空間を作れるのも映像ならではの強みだと思います」(山本)

 ABEMA NEWSではこの4月からライブ配信のニュース枠を増設し、即時性を強化した。スマホでいつでもニュースが見られる時代に合わせ、いつアプリを立ち上げてもフレッシュな情報が入手できるようにするためだ。

 映像のクオリティに合わせて、内容にも様々な変化が見られるABEMA NEWS。スマホが当たり前になった時代に、映像ならではの報道のあり方を模索する道は続いていく。シネマカメラがもたらす新しいニュース体験を是非とも体感してみてほしい。

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