ライブ演出の新規軸? 体を楽器にする、ソニーの次世代音楽ウェアラブルデバイス『MOTION SONIC』発表

ソニーが『MOTION SONIC』を発表

 ソニーが次世代音楽ウェアラブルデバイス『MOTION SONIC』を発表。クラウドファンディングサイト『indiegogo』でプロジェクトを開始した。

 『MOTION SONIC』は「体を楽器にする」をコンセプトに、2017年の『SXSW』で実験機が話題になったデバイス。ターゲットはDJや鍵盤奏者など「電子楽器の演奏者」で、手を揺らすとピッチが揺れたり、フィルター・ディレイがかかったりする、いわば“ウェアラブル・エフェクター”だ。

 プロダクトはウェアラブルモーションセンサーとアプリの2つから成っており、手首と手の甲に装着可能なウェアラブルセンサーが、ムーブ(振る)、ロール(回転)、アップダウン(縦方向に傾ける)、ウェーブ(揺らす)、レフトライト(左右に動かす)といった動きを感知。Bluetoothを使用してセンシング情報をアプリへ送信し、ピッチベンド、ディレイ、ゲイン、フィルターノイズ、パン、ディストーションなどのエフェクトをかけることができる。アプリはiOS対応(現段階でAndroid版は非対応)となっており、楽器からオーディオインターフェース経由でiPhoneやiPadに接続することで、その楽器の音を操作することができるほか、スピーカーへの出力も可能。PCを介さずにこれらのエフェクトが手軽に使える、コンパクトかつ直感的(そして見た目は未来的)なデバイスだ。

 センサーは6軸で構成されており、ゴルフセンサーやスポーツセンサーなどソニーの他分野で培った技術を使用した高感度のものとなっている。楽器奏者ならありがちな意図せぬ体の揺れなどについては、パラメーターを調整することであえて鈍くすることなども可能。同じようにエフェクトの強弱もツマミを動かすように簡単な操作で変更できる。

 先述したAndroid版については「プロダクトとして本格展開・事業化する場合はAndroidも含めて展開予定」とのこと。本格展開の基準については、目標額である868万円の達成のほか、購入者の人数や属性などを踏まえて判断するようだ。ほかにも、本格展開後のアップデートではエフェクトの追加やユーザーの独自エフェクトを共有する機能などの実装を予定しているとのことなので、今後の展開を楽しみにしたい。

 筆者のファーストインプレッションとしては、単純にエフェクトをかけるだけならPCソフト、ライブで音を慎重に操作したいならマニピュレーターの力を借りるのがベターな気はするが、圧倒的にビジュアルとして新鮮で、動きと音が連動することによる視覚・聴覚的な気持ちよさがあると感じた。見た目がシンプルになりがちな少人数での演奏形態や、配信ライブでのDJパフォーマンスなど、有効活用できるシチュエーションは多そうだ。サードパーティ製のデバイスとの連動については現状非対応とのことだが、本格展開後にはそれらを連動させた新たなライブ演出なども生まれるかもしれない。

 支援プランは先着400名限定の23,900円(219ドル)と、通常プランの27,200円(249ドル)の2種類(※)。手首・手の甲への装着バンドとコアデバイス、充電用USB Type-Cケーブルを同梱し、出荷は2022年3月以降、順次発送となる。

(※ドル価格はレートに応じて変動)

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