莉子・神尾楓珠が出演する『ブラックシンデレラ』が令和版“花男”である理由

『ブラックシンデレラ』が令和版“花男”である理由

 「Popteen」専属モデルの莉子がヒロインを務めるABEMAオリジナルドラマ『ブラックシンデレラ』が4月22日から放送を開始した。本作はミスコンに憧れるヒロインが、とある事件をきっかけに恋愛、友情を通して成長していく物語。ミスコン出演の夢を抱きながら、自身は平凡な暮らしをおくってきた女子高生・神谷愛波役を莉子が演じ、そんな愛波に急接近するイケメン男子・橘圭吾役を自らも国宝級イケメンと名高い神尾楓珠が演じる。さらに愛波と徐々に距離を縮めるミステリアスな転校生・島村空役には板垣瑞生が。魅力的なふたりの男子の間で揺れる愛波の学園生活は今、ティーンを中心に多くの世代にとって注目の的となっている。

 『ブラックシンデレラ』の最たる魅力は、ラブコメ力の高さにあるだろう。主人公の愛波が等身大の女子高生として描かれる一方で、その恋の相手は学園一のイケメンとミステリアスな転校生という設定。加えてインフルエンサーとしても活躍するカースト上位女子の存在や、恋や友情の間で揺れ動く青春の描写など、ハラハラとドキドキが非常にバランスよく点在している。ただ甘いだけのストーリーではなく、程よくビターなエピソードが織り交ぜられることで幅広い世代の視聴者の共感も得られているのだと感じた。さらにこれらの構図は、過去に大ヒットしたドラマ『花より男子』(TBS系)を想起させることからも、ヒットの構造に乗っ取っていることが窺える。

 タイプの違うふたりの男子に言い寄られる平凡な女子という構図は、かつての『花より男子』における道明寺司(松本潤)と花沢類(小栗旬)の間で揺れていた牧野つくし(井上真央)を彷彿とさせる。更にヒロインがクラスのカースト上位グループになかなか馴染めない点や、 (種類は異なるものの)逆境に力強く立ち向かう姿も双方に共通する魅力だろう。恋の繊細な悩みや人間関係の苦悩を跳ね除けるヒロインのパワフルさといった要素は、いつの時代も多くの視聴者にときめきと元気を届けてくれる。

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