Netflixの技術力を見せつけた『バーチャルプロダクション・オープンハウス』
Netflixが4月12日から16日にかけて開催した『バーチャルプロダクション・オープンハウス』のハイライトを公開した。
イベントでは、日本で制作に携わる業界関係者向けに、バーチャルプロダクションの有用性を紹介する実機の展示やデモセッションを行った。ハリウッドの高い制作技術が、Netflixオリジナル作品をはじめ、日本の多くの作品で活用されるきっかけをつくることを目的として、さまざまな技術が披露された。
バーチャルプロダクションとは
「バーチャルプロダクション」とは、高度なデジタルの技術や手法を活用しながら、演出などクリエイティブな問題解決を図ることができる技術の総称。ワールドキャプチャー、ビジュアライゼーション、パフォーマンスキャプチャー、サイマルカム、インタラクティブライティング(インカメラVFXを含む)などを含め、最新の撮影技法を総称するもの。
インカメラVFXとは
従来のグリーンスクリーン撮影などと違い、撮影中からカメラ内で最終的な「視覚効果」を得るために、LEDなどのディスプレイを撮影時から活用するもの。撮影現場で目に見える形でショットに収められるため、従来のポスト・プロダクション作業を軽減することができる。ワープスピードで飛び出す宇宙船など、枠に捉われることのない表現もインタラクティブな照明技術(LEDやプロジェクション)と連携することで、よりダイナミックな明るさや自然な物体への反射をつくり出すことができる。
参加者が体験した技術
・インタラクティブな照明、ゲームエンジン、カメラ・トラッキングで演者をバーチャルな撮影空間の中に没入させる撮影手法
・LED技術を使い、車やインテリアを活用したセットを世界中のロケーションで再現する方法
・インカメラVFXを活用する映像制作者をサポートする、独自のワークフローや技術
参加者が鑑賞した技術
ライブデモでは、3つのインカメラVFX技術を紹介した。
・「ドライビング・コンプ」で、LEDスクリーンを使用し、世界のあらゆるロケーションにおける道を運転しているかのような撮影をシミュレーション(2DインカメラVFX)
・「ウィンドウ・コンプ」では、建物の窓の内側から都市のスカイラインや雪景色が外に見える想定での撮影をシミュレーション(2DインカメラVFX)
・広大な風景のセットをゲームエンジンでリアルタイムに実行(3DインカメラVFX)