賛否両論? 物議醸すPS5版『FF7リメイク』の発表について考える
2021年2月26日、スクウェア・エニックスは『FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE(以下、FFⅦR)』に連なる複数のタイトルを発表した。発表されたのはFFⅦRのPS5版となる『FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE INTERGRADE』、バトルロイヤルアクションゲームの『FINAL FANTASY Ⅶ THE FIRST SOLDIER』、FFⅦシリーズの全作品を章立て形式で配信するRPG『FINAL FANTASY Ⅶ EVER CRISIS』の3タイトルだ。こちらの発表について、現状で判明している情報をご紹介する。
PS5版では「ユフィ」をメインに据えたDLCが配信
今回の発表では、FFⅦRのPlay Station 5版となる『FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE INTERGRADE』が2021年6月10日にリリースされることが明らかになった。こちらは現在PS4版を持っているプレイヤーは100円(税込)でPS5版へアップグレード可能で、セーブデータも引き継ぐことができる。
『INTERGRADE』では、PS4版に比べてライティングやグラフィックの質感などが向上し、より美しくなったミッドガルを探索できる。さらに、4K解像度でプレイできる「グラフィックモード」と60fpsでスムーズな動作を実現する「パフォーマンスモード」が追加されており、画質とフレームレートのどちらを重視するかによってモードを切り替えることが可能だ。「フォトモード」も追加されているため、本作の高精細なグラフィックをとことんまで楽しめるだろう。
物議を醸しているのは、PS5版のみ購入・プレイが可能となるDLCだ。このDLCでは、PS4版のFFⅦRには登場していない「ユフィ」を主人公に据えた新規エピソードが配信される。ユフィはFFⅦ原作に登場する人気キャラクターで、リメイクの続編での登場が待ち望まれていた。そんなユフィが活躍するエピソードを一足早くプレイできることに喜んだファンもいるだろう。
しかし、現状PS5は製造が追い付いておらず、まだほとんどのユーザーが入手できていないうえ、『FFⅦR INTERGRADE』が発売する6月になっても、このような品薄が改善されているかどうかはわからない。このような背景もあり、PS4版をプレイしたファンであっても、PS5が入手困難であるためDLCを遊べないという状況に陥ってしまう可能性が少なくない。そうした背景を踏まえると、ユーザーから不満が噴出するのは当然だろう。
FFⅦRの続編がPS5で展開されることは、PS4版の発売当初から予想されていたことではある。しかし、PS4でリリースしたタイトルであれば、DLCも同機種に対応するのが筋であるという意見も十分理解できる。
また、今回の件が波紋を広げているのは、スクウェア・エニックスがこれまで何度も行ってきた”完全版商法”に因るところも大きいだろう。たとえば、同社の『ドラゴンクエスト Ⅺ』は当初PS4と3DS向けにリリースされたが、後にさまざまな新規要素を追加したNintendo Switch版が発売されて批判を受けた過去もある。このような印象の積み重ねが、『FFⅦR INTERGRADE』の騒動につながっているといえなくもない。