ポケモン25周年で振り返る、アニメの設定を生かした初代『ピカチュウ版』の魅力

ピカチュウ以外にもアニメ準拠の変更点がある

 本作はピカチュウを主役級ポケモンに据えた作品ではあるが、それ以外にもアニメ版『ポケットモンスター』に準拠した変更点が多い。

 たとえば、『赤・緑・青』の場合、通常のプレイでは最初に選択する「ヒトカゲ」「フシギダネ」「ゼニガメ」のうち、1体しか手に入れることができなかった。一方、『ピカチュウ版』ではアニメでこれらのポケモンをすべて手に入れた「サトシ」に倣い、ストーリーの進行中に三体とも入手することができるのだ。いわゆる”御三家”と呼ばれるポケモンをストーリー本編だけですべて入手できるタイトルは、シリーズの中でも珍しい。

 また、ロケット団のイベントにおいては、アニメ版でお馴染みの「ムサシ」「コジロウ」と思われるキャラクターが登場した。その他にも、ジムリーダーの「カスミ」「タケシ」がアニメ準拠のデザインになっていたり、ポケモンセンターの職員が「ジョーイ」を模したキャラクターに代わっていたりとアニメを見ていた人だからこそ楽しめる変更点が多かった。

 『ポケットモンスター ピカチュウ』は現在、NINTENDO 3DSでバーチャルコンソール版をプレイすることが可能だ。当時『赤・緑・青』をプレイしたユーザーであれば、懐かしさを感じながらもどこか新鮮な気持ちで『ピカチュウ版』を遊べるかもしれない。ポケモン25周年に先駆けて、ピカチュウとともにカントー地方への冒険へ出かけてみてはいかがだろうか。

■坂田憲亮
愛知県の田舎で自由気ままに暮らすフリーライター。アプリやゲームなどエンタメ分野をはじめ、国内大手の各種メディアにて記事を執筆中。取材から撮影、Webデザインまで行う自称・マルチクリエイター。

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