PS5コントローラーでもドリフト問題発生? 背面ボタンに関する特許も発見される

PS5でもドリフト問題発生?

 入手困難な状況が続いているPS5の魅力のひとつに、ゲームプレイに合わせて振動するDualSenseコントローラーがある。しかし、このコントローラーでもNintendo Switchで発生したあの問題が報告されている。同コントローラーに関係する特許も新たに見つかった。

修理依頼は一苦労

 ゲームメディア『KOTAKU』は10日、DualSenseコントローラーがプレイヤーの操作とは関係なしに振動してしまう問題が発生していることを報じた。その症状から「ドリフト問題」とも言われるこの不具合に関しては、アメリカで幸運にもPS5を入手できた一部のプレイヤーがSNSや掲示板で報告している。

 以上の不具合に見舞われたプレイヤーが英語圏最大の掲示板サイトRedditに書き込んだところによると、PS5購入後10日後にドリフト問題が発生し、PS5電源の入れ直し、BluetoothのONとOFFの切り替え、コントローラーのリセット、最後に一晩充電しても改善が見られなかった。同掲示板にドリフト問題が発生した様子を撮影した動画を投稿したプレイヤーもいる。

 KOTAKUの記事を執筆したAri Notis記者は、Sonyのサポート体制を確かめるために実際にサポートデスクを利用してみた。その結果、サポートを受けるまでに17分以上かかった、とのこと。ドリフト問題についてサポートデスクを頼ったとしても、簡単には解決しそうにないと言える。

 ドリフト問題で思い出されるのは、Nintendo SwitchのコントローラーであるJoy-Conがプレイヤーの意図とは関係なしに振動した問題だ。アメリカでは訴訟問題にまで発展した。DualSenseコントローラーのドリフト問題については、まだ訴訟の動きはない。

 ちなみにKOTAKUがSonyに以上の問題について問い合わせたところ、返答はなかった。

手が届かない場合のために

 DualSenseコントローラーに関しては、これに関係すると思われる特許が見つかったことをゲームメディア『IGN』が10日付の記事で報じた。その特許は、WIPO(World Intellectual Property Organization、世界知的所有権機関)が2月4日に発行したものだ。2020年6月29日にSonyが提出したこの文書には、コントローラーの背面に付けるボタンアタッチメントが解説されている(トップ画像参照)。

 特許文書の説明によると、画像のアタッチメントはコントローラーの端子に接続して使用する。また、アタッチメントに割り当てるボタンはカスタマイズ可能だ。こうしたアタッチメントを接続する意義として、一部のボタンは「特定の機能を使用している間は平均的な手のサイズでは届かない可能性」があり、アタッチメントを使えば「特定の機能を使用している間、手の届く範囲内により多くのボタンを配置」できるとも説明されている。

 もっとも、特許文書にはPS5やDualSenseといった単語は一切書かれていない。それゆえ、DualSenseコントローラーに対応したボタンアタッチメントであると断言できない。さらには、特許が認められたからと言って、その特許を実現する製品が製造される保証もない。特許を申請したのは、サードパーティ製のボタンアタッチメントを牽制するSonyの意図があったからかも知れない。

PS4の時より早くリリース

 9日にはゲームメディア『gamesindustry.biz』が、中国でもPS5がリリースされることを報じた。この報道のソースとなっているのが、アジア圏のゲーム市場を調査するNiko PartnersのシニアアナリストDaniel Ahmadのツイートだ(以下のツイート参照)。


 Ahmad氏のツイートには、SIE上海の江口達雄社長らが旧正月に合わせて公開した動画が添付されており、その動画でPS5のリリース時期が言及されている。その時期は、2021年第2四半期(つまり2020年4月から6月のあいだ)である。

 Ahmad氏のツイートの続きには、中国におけるPS5リリースに関して2020年12月には中国当局から承認されていたものも、現在はソフトウェア販売に関する承認を含む最終的な準備を進めている、とも書かれている。

 PS4が発売された当時、そのリリースは北米および欧州における2013年11月15日を皮切りに、世界各地で時期をずらして行われた。日本は2014年2月22日、中国は2015年3月20日であった。中国におけるPS5のリリース時期は、PS4のリリースと比べると異例の早さと言える。

 中国でのPS5リリースに伴って懸念されるのが、PS5の供給状態である。現状でも供給が極めて逼迫しているなかで巨大市場である中国への供給が始まると、供給がさらに逼迫するかも知れない。世界的な半導体不足も続いているので、PS5の入手が困難な状況はしばらく解消されないだろう。

トップ画像出典:IGN「Sony May Be Working on a Back Button Attachment for PS5's DualSense Controller」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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