TikTok CMにも出演 バズる動画連発の「レミたん」に聞く、ハンドボール日本代表との“両立”

変わらないハンドボールへの思いと心境の変化

ーー自分が作る側に回ると、細やかな工夫に気がつくことができて面白いですよね。ハンドボールを普及するという目標を持ってTikTokに取り組んでいますが、今のフォロワーの多さに繋がっている理由はなんだと思いますか?

土井:まず、こんなに短期間でここまでフォロワーが増えるとは思っていなかったです。日本に来たらフォロワーは増えるだろうとは思ってましたけど、今年中に100万人達成すれば万々歳、くらいに思っていました。最初はハンドボール系の動画を2つあげて、それもけっこうバズったんですが、以降はハンドボールを題材にするというより、単純に面白い動画をのせていくようにしました。あとは頻度をあげたくらいですね。

ーー日本に帰ってきて以降も、動画の方向性を変えることはなかったんですね。

土井:ハンドボールを広めるために色々やってきて分かったんですけど、SNSでストレートにハンドボールの話をしても、ハンドボール関係者しか見ないんです。それはもうイヤというほど経験してきたので、TikTokでは自分という人間をまず表現して、そこでファンになってもらってからハンドボールを知ってもらえればいいと思っていて。

 まず僕のことに興味を持ってから、実はハンドボールをやっていると知ったら、ファンでいてくれる人はハンドボールやっているところも見たいと思うじゃないですか。むしろ、あえてハンドボール選手ということを隠して後で見せた方が、衝撃も大きく記憶に残りますし。

ーー他に大切にされているポイントはありますか?

土井:親近感はものすごく大事だと思います。コメントも全部読みますし、気に入ったコメントに対してはいいねや返事もします。そういった距離感は常に保っていきたいですね。たった一つのいいねで、ものすごい喜んでくれるなんて、こんな幸せなことはないですよ。もちろんハンドボールを広めたいという思いはずっとあるんですけど、これだけの人が動画を上げるたびに喜んでくれると、もっと喜んでもらいたいと思いますし、最近はさらにそういう思いが強くなってきているかもしれません。

ーーモチベーションの変化もあったんですね。

土井:変化したというより、新しいモチベーションが加わった、というほうが近そうです。みんなが喜んでくれる、それをコメントで表現してくれるっていうのが一番幸せな瞬間で、いろんな人が嬉しいことを言ってくれるので、それが一番の財産です。

ーーハンドボールを広めるという意味だと、直近のテレビCM出演もターニングポイントではないですか?

【TikTok】「じいちゃんがTikTokクリエイター!?」篇 30秒

土井:そうですね。出演の連絡をもらったときは、ケータイを落としそうになるくらいの衝撃でした。「俺がテレビCMに出るの?」みたいな(笑)。本当に驚きと感謝ですね。ひとえにみなさんの応援があったからこそなので、携わってくれた方々に感謝の気持ちです。とくにハンドボール業界の人たちは喜んでくれてると思いますし、ユニフォームで出させていただけたことについても、本当にTikTokさんに感謝しています。

ーー最後に、ハンドボール/TikTokの両面で、短期・長期的な目標があれば教えてください。

土井:短期で言えば、1月の世界選手権です。オリンピックの前に世界と戦う唯一の舞台なので、自分たちの実力を試すにはもってこいですし、そこで結果を残すことでオリンピックに向けてもいい弾みになるんじゃないかなと。結果が何位だったかよりも、強豪チームとどれだけの勝負ができるか、が僕の中で一番大事ですね。そこが自信につながると思うので。今回は勝ちに行くという目標を持って、自信をつけるっていう段階だと思います。

 長期的な目標で言うと、「オリンピックまで」がアスリートが一番注目されるタイミングですよね。今はそれを利用してハンドボールを宣伝しやすいですし、選手としても一番価値が高まる瞬間なので、最大限その環境を使っていこうと思います。その後のことについて、まだ明確なイメージはないですが、TikTokも含めてもう一段階レベルアップした自分を作っていきたいですね。そこを分岐点として、さらにできることを探したいです。ずっと同じじゃなくて、さらにレベルアップしていきたいです。

【TikTok】それは、TikTokからはじまる。-レミたん篇-

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