コロナ禍で世界のクリスマスはどう変化? 各ビデオチャットも時間制限撤廃&新機能導入へ

コロナ禍で世界のクリスマスはどう変化?

 2020年も終盤に差し掛かり、年末年始のムードが高まる中、帰省や旅行で家族や友達に会う機会が増える。しかし、現状は同時にコロナの影響で大きな動きを控えている人も多い。

 実際、アメリカでは政府が11月末の感謝祭や12月のクリスマスなどの休暇に向け、大人数での集まりを極力控えるように呼びかけている。特に冬へと移行したことによって、室内で過ごすことが増えたり、イギリスでの新型コロナウイルスの変種が感染拡大したことによる一部ロックダウンなどを受け、今年のクリスマスや新年は世界中で自粛祝いが増える傾向にある。そんな中、今年大活躍だったZoomなどをはじめとした様々なWeb会議サービスが、年末年始に向けてグループ会議の制限排除や、新たなサービスの導入をこの時期に発表している。

Zoomから始まったWeb会議サービスの進化

 パンデミックの中、大学や教育機関の閉鎖、会社のリモート化などへの移行が目立った今年中旬、Zoomは直接これらの学校などに問い合わせをし、自分たちのサービスの提供を申し出た。特に教育関係のオンラインシステムの設置状況や厳しい予算状況から最初の数ヶ月のサービスの無料化やその他の使用法のサポートなどを提供することで、自らのマーケットを確保した。

 Zoomの大きな使用ポイントとして挙げられるのが、アクセスのしやすさだろう。従来はサーボス提供社にアカウントを登録しなければアクセス自体ができない設定であり、それらの多くは複数人数のグループ表示が複雑だったり、スクリーンシェアがアクセスしにくいなどの壁があった。

 ZoomはIDなどを登録していなくても、ミーティングの開催者がIDとパスワードをシェアすることで、誰でもアクセスが可能となる。結果、多くの企業などが社内会議に使用し始め、ソーシャルの領域までに拡大した。Zoomを使用したオンライン飲み会、結婚式、誕生日会、卒業式などのイベント開催が当たり前になったことで、より多くの人たちがWeb会議サービスという形態に慣れることとなった。今年に入ってからは、Zoom以外の大手テック企業たちがそれぞれのWeb会議サービスを展開している。

マイクロソフト、アマゾン、GoogleのWeb会議サービス……

 アマゾンは先日、Echoを通してのグループビデオと音声会話機能をサービス利用開始した。Echoのサポート対象内であるEcho製品を持っているユーザーが使用可能で、デバイスに搭載されているAlexaアプリを使用してグループを作成し、「Alexa, call my family」と声をかけることで、グループ通話が開始できる。現在は7人の人数制限となっているが時間制限はなく、Alexaを搭載していれば使用できるため、幅広いデバイスでのこの機能を使うことができる。

 また、グループ通話以外にもボイスメッセージの送受信や、1対1でのグループビデオ会話の自動キャプション作成機能などがあり、より快適な通話経験を提供できるような工夫が施されている。

 マイクロソフトも同様にこの休暇の時期を狙い、新しい利用者を増やしていく試みが発表されている。主に企業向けに利用されていたTeamsは、7月に個人向けのサービスを開始したのと同時に、Together modeを発表した。自分のバーチャルアバターを作成し、同じ空間にそれらのアバターを設置するというものだ。バスケットボールのNBAにおけるオンライン観客席で利用され、そのリアルな体験が注目を集めた。

  また、アメリカでは11月の感謝祭前に、Zoomと同様に「リンクのみでミーティングに参加できる機能」を導入した。ミーティングの開催者がログインし開催設定することで、リンクにアクセスする人たちは全員アカウント登録なしで参加できる。24時間の上限設定はZoomの3人以上の40分よりも圧倒的に長く、Zoomの競合となるかもしれないと言われている。グループ会話機能のアップデートでは以前よりもコンテンツやスクリーンシェアが使いやすくなり。発表しているコンテンツと話者を横並びに表示するなど、よりナチュラルで現実に近い体験を提供している。

 ほかにも、GoogleはGoogle Meetsの無料プランの60分の上限機能を24時間上限にするサービスを来年の3月まで延期すると発表した。Google Meetのギャラリー機能ではいちスクリーンに最大49人を表示可能にするなど、映像面でZoomにとって最大の競合相手となった。Gmailの左横のバーから参加できるという利便性もあり、Gmailを仕事などで利用するユーザーたちをターゲットに利用者数を伸ばしている。

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