『今日好き 星空編』第5話ーーるな&るか、はるとを巡るライバルが交わしたハグの意味は? 最終回目前に止まらない猛烈アタック
「まりあちゃんに告白したい。海に来てほしい、待ってるから」
第4話終盤、かずゆき(松本和志)がよしき(椿善稀)だけに伝えた「だからオレ、ちょっと賭けに出ようと思ってて」という一言。その“賭け”とは、れおん(丸田怜音)に惹かれているまりあ(鈴瀬まりあ)に対して、“ルール破り”ながらも夕方を待たずに告白をするという大胆なものだった。まりあは冒頭に引用した言葉を受けて、戸惑い気味ながらも何かを決意した様子で、海辺で待つかずゆきの前に現れる。この告白は実を結ぶのか……。
かずゆきの告白はいつだってシンプルだ。前回の『秋月編』に続き、今回も「2日目に海の散歩をした時に本当に元気もらって。それから……好きです。……好きです、オレと付き合ってください」と、率直な想いだけを伝えきる。そんなかずゆきの好意を受け止めながらも、まりあは「いま、告白したい人が(別に)いるので……」と回答。この時点で旅のルール違反となるため、かずゆきの2度目の旅はここで幕を閉じた。惜しくも失恋する形にはなったが、『秋月編』からの仲として、『星空編』出発時から背中を押してくれたよしきとあやの(西綾乃)に向けて、最後まで感謝を示していた姿がとても印象深い。
序盤から波乱の展開を迎える最終日となったが、ここからは恒例の女子から男子への“最後のアピールタイム”に。まずは、はると(中野晴仁)を×るな(黒咲月)が2ショット。昨晩、はるとに対して「他に気になる人もいる」という不本意な発言をしたるなだが、「すごい後悔のキモチが多くて」と、彼を想うあまりに強がりをしたと頭を低くする。
そんな彼女をフォローする意図もあったのかもしれない。ここで、はるとがそっと取り出したのはマジックペン。「昨日さ、手に描いてほしいって言ってたじゃん」と、さりげなく交わした約束をもしっかりと覚えているところに、彼の優しい人柄を感じる。すると、るなも同様にマジックペンを用意してくるなど、考えていることはどうやら一緒だったようだ。何より、かずゆきが当初に生み出した“落書き”の文化は、ここまでしっかりと受け継がれたこともわかった。人の想いこそが永遠であり、不滅なんだよ。
るなは早速、はるとの手のひらに落書き。彼女が最後に伝えた想いは「だいすき 3日間ありがとう」というかわいいメッセージだ。一方のはるとは、その返事として「迷いなう。」と、るなの手のひらに記す。自身のリアルタイムな心境を綴ったそうだが、やや率直すぎるコメントが、るなの表情をわずかに曇らせ、気丈な振る舞いをさせてしまう。ただ、るな本人としてはこの旅を通して最も等身大な想いを伝えられた、悔いない時間となったようだ。
はるとは続けて、るか(早河るか)とも2ショット。ここまで積極的なアプローチを見せてきたるかだが、今回は「言いたいことあるの! こっち向いて! もうちょっとこっち来て」とはるとを引き寄せて距離感を縮めるなど、最後まで攻撃の手を緩めない。さらに、「声が好きって言ってくれたじゃん」という、はるとから以前に褒められた言葉をフックに、逆に自身がはるとのどこを好きなのかを語りに語り、「めっちゃ好きなのね……好き、好き、好き!」「ぜんぶが好き」と、全力でぶつかっていく姿がとても愛おしい。これにははるとも、「そんなこと言ってくれる人いないよ」とご満悦な表情にならざるを得ない。
るかとの別れ際、「でもオレは……いま話してみて、けっこう“好き”だって言ってくれたじゃん。めっちゃうれしいの」と振り返ったはると。その言葉はるなではなく、るかの方に揺らいだことがわかるようなトーンだっただけに、この2ショットが決め手になった可能性もあり得るのでは……。
ちなみに、“るなるかコンビ”はお互いの2ショット直前に「ライバルだけど、負けたくない」とエールを贈りあっていたほか、その後に「ライバルがるなでよかったなって」と振り返り、最後の告白に向けて“頑張ろうのハグ”をして称え合う場面も。こうした女の子同士の友情もまた『星空編』の見どころのひとつなのだろう。思えば、恋のライバルに対してここまで真正面から向き合い、清々しく健闘を祈りあえるのも、高校生のいまだからこそ、さらに『今日好き』に出演する人生で一度きりの瞬間だからこそと言っても過言ではないだろう。