Nintendo64で一番難しい? 不朽の名作『爆ボンバーマン2』について語りたい

数々のプレイヤーが脱落したラスボス

 ここまで紹介した要素だけでも、『爆ボンバーマン2』の難しさを語るには十分だ。しかし、本作の最大の難所は、ラスボス「聖邪の天使」にある。

 聖邪の天使は多彩な攻撃手段を持っており、一つひとつ回避するのが難しい。しかも、ダメージを与えると続けざまに複数の攻撃を行うようになり、さらに攻略の難易度が上がるのだ。また、こちらを永久に追尾する光球を発生させることもプレイヤー達を悩ませた。この光球はボンバーマンにダメージを与えても、時間が経過しても消えることがなく、消滅させるためには闇属性のボムで打ち消すしかない。しかし、攻略情報が乏しかった当時はそもそも気付くプレイヤーが少なかったという。

 これだけ攻撃が苛烈であるにも関わらず、聖邪の天使には攻撃後のわずかな隙しかダメージが通らない。それに加えて、聖邪の天使に敗北すると直前のもう一体のボス戦からやり直さなければならず、ラスボスに到達するまでのワールドの長さも相まって、プレイヤーの集中力が保てないこともしばしば。このようにプレイヤーの気力を削ぐさまざまな要素が重なり、ラスボスを倒せず諦めてしまったプレイヤーは数知れない。筆者はなんとかクリアしたが、ラスボスだけで2時間以上かかったことを覚えている。そのあまりの強さ、リトライのしんどさに、当時のプレイヤー達からは「Nintendo64最強のラスボス」とまで評されていたほどだ。(※以下のプレイ動画は投稿者があまりに上手なので、その難しさが伝わりづらいかもしれない)

爆ボンバーマン2 聖邪の天使

 このように『爆ボンバーマン2』は理不尽なほど難易度が高いゲームとして多くのプレイヤーの記憶に残り、ある種のトラウマを植え付けている。しかし、それでも未だこのゲームが支持されているのは、練り込まれたストーリーや個性豊かなキャラクター、謎解き要素をふんだんに盛り込んだボリュームたっぷりのワールドなど難易度の高さ以上に何度も遊びたく魅力が詰まっているからだろう。もしも、状態の良いNintendo64が手に入るのであれば、是非ともプレイしてみてほしいタイトルの一つだ。

(画像=Amazonより)

■坂田憲亮
愛知県の田舎で自由気ままに暮らすフリーライター。アプリやゲームなどエンタメ分野をはじめ、国内大手の各種メディアにて記事を執筆中。取材から撮影、Webデザインまで行う自称・マルチクリエイター。

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