タイムズスクエアに“音楽のディズニーランド”がオープン? 元Spotifyの音楽部門責任者の壮大な計画

 米タイムズスクエアに、“音楽のディズニーランド”を建設する計画が発表された。アーティストがライブを行ったり、ファンと交流したりすることができるという。ニューヨーク市はコロナウイルスで甚大な被害を受けているが、果たして実現は可能なのだろうか。

 米メディア『VARIETY』によると、元Spotifyの音楽部門の責任者であるニック・ホルムステン氏は、ニューヨーク市のタイムズスクエアに「アーティストの遊び場」を作る予定だという。ここでは、アーティストがライブを行ったり、グッズを販売したりできるほか、様々な体験が可能だという。計画では、ウイルス関連の規制に留意しながらも、2022年にオープンする予定だ。

 ホルムステン氏は、「これは音楽のディズニーランドと、ラスベガスが融合するような計画だ」と述べている。同氏はヘッジファンド運用会社のFortress Investment Groupと協力し、TSXEntertainmentという会社を設立。プロジェクトの費用は明かされていないものの、数十億ドルにのぼるという噂もある。

 Spotifyに6年間在籍した後、2019年9月に同社を退社したホルムステン氏。彼はこのプロジェクトについて、「駆け出しのアーティストたちが、新たなファンを獲得する場となるように設計している。従来のストリーミングサービスでは、アーティストとファンが交流を持てる機会がない」と述べている。また、「オンラインとオフライン、両方の包括的な体験を提供することが極めて重要だが、ストリーミングサービスには限界がある。私は、フィジカルな体験と、テクノロジーを融合させることができたら、といつも思っていた」とプロジェクトへの思いを語った。

 計画は、タイムズスクエアの巨大モニターで放送されていた、MTVのリクエスト番組「Total Request Live」から着想を得たという。ホルムステン氏が、外出自粛によって高まるエンターテインメントへの欲求を利用しようと考えたのではないかと『VARIETY』は考察している。

ニューヨークの厳しい現状 完全復活までは4年かかる見込み

 計画が実現すれば音楽ファン注目のホットスポットとなりそうだが、ニューヨークの現状は厳しい。

 市の観光振興機関、NYC&Companyは、観光客数が完全に元に戻るには少なくとも4年はかかると予測している。2019年には、過去最高となる6,660万人を記録しており、今年はさらに増える見込みだった。ところが現在では、昨年の合計人数のわずか3分の1程度に止まっているという。

関連記事