セカオワ、BTS、RADWIMPS……『オオカミ』シリーズを彩る楽曲の特徴と変遷を辿る

 第6弾、『オオカミちゃんには騙されない』では、主題歌にサカナクションの「アルクアラウンド」、挿入歌にBTSの「Lights」が使用されている。本作は出演メンバーの中に紛れ込んでいる“嘘つきオオカミ”が女子側にいるという初の試みで、今までにない波乱の恋愛が巻き起こった。

 ひろむにアタックされながらも、かずまを諦められずアタックするゆうか、Kayaから想いを寄せられるも、あいりを好きなゆいとに片思いし続けるほのばび、など、恋愛模様が入り乱れるシーンでは「アルクアラウンド」が上手く使われており、目まぐるしく変わる展開と、楽曲の疾走感がマッチしている。

 一方で、かずまとミチの楽しそうなシーンや、ひろむとゆうかのデートで幸せそうな時間が流れるシーン、また女子同士の友情がみられるようなシーンでは、「Lights」が使われている。

 この主題歌・挿入歌の使い分けによって、気持ちがかき乱されたり、幸せな感情になったりと、視聴者も物語に合わせて感情を揺さぶられ、物語をより感動的に楽しめたのではないだろうか。

 第7弾、『月とオオカミちゃんには騙されない』では、主題歌にBTSの「Let Go」、挿入歌にKERENMIの「ROOFTOPS feat.藤原聡(Official髭男dism)」が使用されている。第二弾となる「オオカミちゃん」シリーズでは、一途に想い続ける男子メンバーが多く、女子メンバーの切ない片思いが交差した。

 「Let Go」は切ない気持ちにも暖かい気持ちにもさせてくれるようなメロディだ。メンバー全員でとりかかる共同作業のリーダーとして忙しく、とおるとの恋愛を上手く進められないあずさ、同じくライバルが多いとおるに恋するナナ、ヒナに好意を寄せていると分かっていながらもコアに惹かれていくりおん、と切ないシーンで使用されたり、りことりょうすけのキラキラしたデートシーンでも曲が流れ出す。同じ曲でも、シーンによって切なくもあたたかくもさせられたのは、楽曲が両方の側面を持っていたからだろう。

 また「Let Go」は日本語で“手放す”という意味も持ち合わせているため、両思いだったとおるとナナや、りょうすけとりこの切なすぎる恋愛模様にも、上手くマッチしたように感じる。

関連記事