ソニーのニューノーマル社会に向けたチャレンジ 「3R Technology」で次世代の映像・音響を牽引

 一方スポーツの領域でも、フィードで取得したデータでの価値提供に取り組んでいる。これまでテニスのライン判定やサッカーのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)など、スポーツの審判判定サービスを提供してきたソニーグループのホークアイ(Hawk-Eye Innovations)は今後、画像解析技術とトラッキングシステムをさらに活用していく。先日発表されたメジャーリーグ30球団へのプレイ分析サービスや、日本でもヤクルトスワローズとの実証実験など、多数のカメラで撮影した選手の動作やバット、ボールの軌道といったミリ単位の正確さでリアルタイム解析し、各種データを解析したサービス事業を展開。今後もデータの分析や映像の仮想化に向けて開発を進め、スポーツ界への貢献や新たなスポーツエンターテイメントの創出にチャレンジする。

Sports Entertainment(映像とデータを活用して新たな価値を創造)。

 来年4月1日、石塚が社長兼CEOを務めるソニー・エレクトロニクスは、ソニー株式会社の商号を継承する。石塚は「エレクトロニクスはソニーの祖業であり、改めてソニー株式会社の歴史の重みと、商号を引き継ぐ大きな責任を感じている。創業者が約半世紀前に語った言葉に、『こういう困難な時に勇気を持ってこれに向かっていくのが、いわゆるソニースピリットだと私は信じております』、というものがある。改めてソニー株式会社としてスタートする来年度に向けて、ソニースピリットで挑んでいく所存」と決意を新たにした。

 続けて「長期視点で新たな価値を生み出すためには、世界中の社員と、ソニーは何のために存在し、どこに向かうのかを共有していくことが極めて重要。当社は技術の力を用いて、人々の生活を豊かにしたいというファウンダーの夢から生まれた会社であり、この思いが現在のソニーのPurpose(存在意義)の起源にもなり、ソニーグループの全ての活動の基盤となっている」と総括した。

 そして最後に「紹介したテクノロジーによる社会への貢献は、ソニーの多様な人材が担っている取り組みの一部。長期視点に立ち、地球の先の宇宙にも視野を広げ、今後も持続可能な社会環境の実現に貢献していきたい」と、話を終えた。

■真狩祐志
東京国際アニメフェア2010シンポジウム「個人発アニメーションの15年史/相互越境による新たな視点」(企画)、「激変!アニメーション環境 平成30年史+1」(著書)など。

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