早大が提示する新たな授業システム「反転授業」とは? 希望と懸念の狭間の1年生が解説

早大が提示する新たな授業システム「反転授業」とは? 希望と懸念の狭間の1年生が解説

 コロナ禍のさまざまな対応に迫られる中、9月末から秋学期に突入した早稲田大学。今期も主な授業はオンラインで行われる予定で、一部ゼミや実験などの授業はキャンパスで実施されている。現在早稲田大学の1年生である筆者は、主な授業は大人数の講義、または語学の授業であるため、今期も前期に引き続き対面授業はひとつもない。しかし、早稲田大学側はメディアに対して、「反転授業(ハイブリッド型授業)」なるものを「本格的に導入する」と宣言している。

 そんななか、文科省が16日、対面授業の割合が半数に満たない大学の名前を来月上旬に公表すると発表した。萩生田光一文科相はこのことについて、「遠隔と対面のハイブリッドの授業をやってもらいたいとお願いしてきたが、対面が再開できていないとの声がある」ためと説明したが、お願いされれば開始できるようなものではないというのが事実だろう。学生としても、慌てて反転授業を開始させたところで、オンライン授業よりグズグズになられては困る。実際にアメリカでは、感染が落ち着かない状態で学校を再開させたために、大規模な集団感染が起こってしまっているのだ。したがって政府側には、「要請」以外のことを求めていることが伝わってほしいと思う。とはいえ、大人数講義も含めた『反転授業』の全面的な導入が、実際にはいつ頃になるのかは気になるところである。その点に関しては、大学側の早急な発表を求めている。

「反転授業(ハイブリッド型授業)」とは何か、大学1年生の本音は

 「反転授業」とは、欧米などですでに導入されている授業システムで、対面とオンラインを1:1で組み合わせたものだという。具体的には、講義や予習・復習はオンデマンド授業などを駆使して自ら行い、対面授業の日にはプレゼンテーションや討論を行うことにより、“グローバル社会に適応したアクティブラーニング(主体的・対話的な学び)”を目指すものである、と大学側は説明している。

 まず、この授業システムの導入自体は、なかなか面白そうである。早稲田大学にとっての方針の大転換期に立ち会って、自らがいわば“実験台”となることは、筆者はそこまで嫌ではない。最終的に自身が学生期間に何に注力し、どれほど充実した生活を送ることができるかどうかは、他でもない自分自身に掛かっていると考えているからだ。そして、講義からサークル活動まで、ほとんどのことがリモードで行われているなかで、充実した学生生活を送るのに1番と言っていいほど重要な「周りの学生」に直接会って話す機会が、限定的であっても得られるのなら、できるだけ早く導入してほしいくらいだ。

 筆者に限らず、「同級生に会うためなら対面授業に参加したい」というのが、今の大学1年生の本音ではないだろうか。いま一番辛いのは、同級生と呼べる人がいまだに存在しないことで、どの科目にも一人で向き合わなければいけないというこの環境である。そのため、コロナ禍に慎重に対応しつつ、それを満たすことができるのであれば、全面的に対面授業にしなくても良いように思う。

 確かにオンライン授業のクオリティにはばらつきがある。しかし、聴きそびれたりよく分からなかった部分を繰り返し視聴できるということが、こんなにも便利なことだとは、正直今まで知らなかった。Zoom等を利用した「リアルタイム授業」の場合はそうもいかないのだが、必ずしも授業時間内に視聴しなくてもいい「オンデマンド授業」の場合は、用事ができたら時間をずらして学ぶこともできるため、学生にとってもなかなか都合が良い。オンライン授業は、「授業の受け方」がある程度学生に任されているので、他の生徒に流されずに自分のペースを確保できるところが利点である。ただ、クラス内で頭の良い学生の勉強方法を比較し、なんとか各科目に対する自分の勉強スタイルを確立してきた筆者にとっては、戸惑いがあることも否めない。完全オンデマンドでは怠ける学生が増えてしまいそうだが、今回本格的に導入予定の『反転授業』であれば、学生にとっては都合が良く、より効率的に勉強ができる上に、同級生にも会える。教授にとっては、眠そうな学生の顔ではなく、自身の事前講義を踏まえた発展的な学びの場を対面授業時に設けることができて、一石二鳥なのではないだろうか。もちろん、上手くいけばの話ではあるが、目指す価値はあるだろう。

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