インドでさらに100を超える中国アプリが禁止ーーテックマーケットの未来を考える

 11月に迫ったアメリカ内におけるTikTokの禁止を受け、インドでは6月の大きな禁止令に加え、さらに100を超える中国アプリのApp Storeにおける禁止を施行した。

 6月に発表された禁止令では、すでにTikTok、WeChat、Weiboなどを含む59の中国発のアプリがApp Storeから排除されている。これらはすべてインド政府の情報技術省による発表で、これらのアプリにおけるセキュリティとプライバシーの懸念とされている。

 このさらなる中国アプリの排除の理由として、情報技術省は「様々なソースからこれらのモバイルアプリがユーザーデータをインド外にあるサーバーに不正発信していた。これらのデータのプロファイリングや編集は国家安全と国防の観点においてインドの国家保全と主権を脅かす」とメディアに発表した。

 これらの禁止はインド議会の内外を共に含む政府内にあるインドサイバー犯罪調整機関からの要請や一般市民からの強い懸念なども考慮しての結果となった。現在、合計で224の中国発アプリがインド国内で禁止されている。

現地の反応は?

 全インド商業連盟 / The Confederation of All India Tradersはこの禁止令を前向きに受け止めている。中国からのアプリ排除によってインド発のアプリへの流入を見込める可能性や中国からのプライバシーに関する脅威を取り除くことができると話している。また、今回の禁止を受けて全インド商業連盟は政府にインド発スタートアップFlipkart、Ola、Swiggy、Zomato等の141の企業/アプリへの中国からの投資に関する調査を要請している。

 インドのテック業界は、マーケットのスケールの大きさにより世界のスタートアップから注目を浴びており、特にアメリカと中国のインドのマーケットへの進出は重要な焦点となっている。特に近年の中国のインドへの投資は顕著で2017年からアリババとテンセントによる巨額出資をはじめとして、ここ3年で合計43億ドルの資本投資を記録している。

 現在、インドのトップ10のスタートアップ(市場価値10億ドル以上)のうち7社が中国からの戦略投資を受けており、アメリカからの投資は1社のみ。テックマーケットの主要スタートアップの半数ほどが中国からの投資を受けている。

インド~中国間における国境問題

 同時にインドと中国における国境問題も今回のアメリカ寄りの指向に加担していると見られる。6月末にヒマラヤの国境、ガルワン渓谷の実効支配線で中国軍が合意を破り、インド陸軍と中国軍が衝突し20人のインド兵が死亡したことによって、国家間の関係が悪化した。両国における国境関係は過去45年間ほど緊迫関係が続いており、今回の衝突でインド国内での中国への反発が高まった。

 カルカッタをベースにする料理宅配サービスのドライバーたちは、インド初のスタートアップで中国から多数の出資を受けているZomatoのTシャツを死亡した、インド兵の写真の前で燃やして抗議した。インドの首相ナレンドラ・モディは、全国放送でヒマラヤ国境での事件に関して「傷づいて怒っている」と話した後、7月に自身のツイッターでアメリカとの友好関係を賛美していた。

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