なぜYouTuberへのプライバシー侵害相次ぐ? ヒカキン、はじめしゃちょーなどの事例から考察
なお、YouTuberはなんでもネタにしがちなところも、野次馬やストーカーをつけあがらせてしまうのかもしれない。東海オンエアのてつやのストーカー事件において、水溜りボンドのカンタが裁判に潜入する動画もあったが、加害者の承認欲求を刺激することも否定できない。現にてつやのストーカーは、その後「はじめしゃちょーに乗り換える」とSNSで宣言し、再度ストーカーで逮捕されている。
さらに、ストーカーを家に招き入れホームパーティーを行ったカルマのような者もいる。自分の身を襲う危険すらネタにしまうと、別の事件にエスカレートしてしまう可能性もあるのではないだろうか(この件に関しては、むしろ「やらせ」であればいいのだが)。
住所が特定されたことを逆手にとり、自ら住所を歌詞にして拡散した結果、自宅の鍵穴にアロンアルファを流し込まれ、引っ越しを余儀なくされたゆゆうた。5月14日にはまた自宅住所が発覚してしまい、「明日は我が身」と注意喚起した。正直、歌詞によって住所が広く知れ渡ったことは自業自得とはいえ、自宅まで押しかけるのは犯罪であることは強調しておきたい。
過去には歌い手の鋼兵など、プライバシー侵害を理由に活動を引退した者もいる。今人気のYouTuberも、誰かのちょっとした野次馬根性で活動を辞めてしまうこともあるかもしれない。「親近感」はあくまで「感」であり、実際にはYouTuberは視聴者の友達ではない。プライバシーの侵害をする者たちは、一度自分のやったこと、やろうとしたことを考えてほしい……っていうか、そもそも他人の家に勝手に入るのは犯罪だからね! マジで!
■藤谷千明
ライター。81年生。ヴィジュアル系バンドを中心に執筆。最近はYouTubeや恋愛リアリティ番組なども。共著に「すべての道はV系へ通ず。」(市川哲史氏との共著・シンコーミュージック)。Twitter。