Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏、新型コロナウイルス研究に25億円寄付
Facebookブランドの信用を取り戻せるか
マーク・ザッカーバーグ氏は2004年に設立したFacebookの成功で、ソーシャルメディアという概念を確立し、時代の寵児となった。しかしFacebookは近年、個人データをユーザーに無断でCambridge Analyticaに販売した事件を筆頭に不祥事が相次いでおり、それが社会的信用を落とす原因にもなっている。
独自の仮想通貨リブラを発行するという新規事業でも、その点がネックとなり、各国当局から猛反発を受けて、頓挫している。
CZIの目的は健康、教育、科学研究、エネルギーなどの分野で平等を促進し、人間の可能性を前進させる事業を行なうことで、この世界的な危機に本腰で取り組む構えだ。2015年に設立された切っ掛けは、ザッカーバーグ夫妻の愛娘の誕生だった。
ハーバード大学出身で、若くして億万長者になった天才経営者ザッカーバーグ氏も、人の親になり、社会的活動に注力している。
テクノロジー業界の動きは速く、SNSの新興勢力から激しく突き上げられている。新型コロナウイルスへの真摯な取り組みは、Facebookがブランドとしての信頼を回復し、事業が以前の勢いを取り戻すための試金石にもなりそうだ。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。