快と花、“似たもの同士の恋愛観”がもたらした終焉 『テラスハウス』第37話未公開映像

 快から「花はすごく特別な存在だし、今も花への気持ちは絶対薄まってないと思うんだけど、それ以上にスタンダップのこともあるから、花の存在っていうのが見えなくなっちゃうって感じになってきちゃった……」と告げられたことで、花はおそらく心もプライドも相当傷ついたはず。同時に、「快は自分の理想の相手とは程遠いのでは?」という疑問が確信へと変わったことだろう。

 その瞬間、花は快に「宿とかご飯屋さんとか新幹線のチケットとかもさ、全部社長が手配してくれて。当日も快くんは心ここに在らずみたいな感じで、今、目の前にあることを大切にしてもらえてないなっていうのはすごく感じた」「どれだけたくさんの人を喜ばすことができても、一番身近な人を傷つけたり、寂しい思いをさせたり、ハッピーにできなかったりしたら意味がないなって花は思って」「(花は快と違って)周りを大切にしながら、自分のやるべきことをやりたい」などと、自身の正義をふりかざして説き伏せようとする。

 そして、最後のチャンスと言わんばかりに「変わりたいって思うの? それとも、自分の世界を作り上げるためにはしょうがないと思うの?」と快に問う。だが、返ってきた答えは花が期待していたものとは真逆だった。「そこまで、すごくそっちに変わりたいっていうのはないかな」。二人の恋はジ・エンド。甘酸っぱい時間の終焉と共に、女子風呂での地獄の悪口大会が幕をあけるのだった。

 ここで、少し引っかからないだろうか。花は今、目の前にいる快を大切にできているのだろうか、傷つけているのではないだろうかということに。

 思えば、花が凌に片想いしていたとき、辛くて涙を流していた横には快がいてくれた。甘くて優しい言葉でそっと包み込みながら、傷つく花の心を癒してくれていたのではないだろうか。だが、花は快がスタンダップコメディで壁にぶち当たり、どうしようもなく悩んでる今、自分の欲求だけを一方的にぶつけている。そんな快を労るという優しさはどこにも感じられない。それなのに、自分は周りを大切にできて、傷つけない人だと思い込んでいる。花は自分の思い通りにならないことは許せず、自身の正しさを周囲に押し付けようとする節がある。客観的に自身を省みることができない。どこまでも子どもなのだ。だからこそ、テラスハウスに入居したことが、彼女にとって成長のきっかけになるのではないだろうか。

 ここまで長ったらしく、快と花の間に生じた亀裂を書き綴ってきたが、結論、「京都旅行に行っても行かなくても、今の彼(女)らが恋人として幸せになれることはなかった」の一言に尽きる。もし、快にもう少し余裕があって、花ももう少し大人だったら……。だが結局、そのときに出会っていたら出会っていたで、お互いに惹かれ合うこともなかったのかもしれない。

【37th WEEK】花「いつまでも構ってられない」
【37th WEEK】花、プロレスの新技披露に社長悶絶…

■番組情報
『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』
2019年5月14日よりNetflixにて毎週火曜に新エピソード先行配信(4週に1週休止)
2019年6月11日よりFODにて毎週火曜深夜0時に配信予定(4週に1週休止)
2019年7月よりフジテレビにて、地上波放送予定
(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

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