新型コロナウイルスの感染マップ装うマルウェア出現 フェイクニュースとの戦いは世界規模に拡大

新型コロナの感染マップ装うマルウェア出現

イギリス国際開発省が支援

 フェイクニュースの拡散は、アメリカではなく世界規模の問題となりつつある。こうしたなか、イギリス政府において国際協力政策を担当するイギリス国際開発省は12日、フェイクニュースに対抗する活動に資金援助することを発表した。資金援助を受けるのは、エボラ出血熱が発生した時にフェイクニュース対抗運動を指揮した実績のある人道支援団体H2Hネットワークで、支援額は50万ポンド(約6,600万円)にのぼる。

 H2Hネットワークは、フェイクニュースに対抗するにあたり、世界各地のヘルスケア関連のインフルエンサーと連携する。そうしたインフルエンサーのひとりには、700万人以上のTwitterフォロワーを抱えるフィリピン在住YouTuberのBianca Gonzalez氏がいる。

 新型コロナウイルスに関するフェイクニュースは、先進国だけではなく発展途上国にも広がっている。例えば、ミャンマーでは枕元に刻んだタマネギを置いて眠るとウイルスがタマネギに吸収される、あるいはショウガジュースが新型コロナウイルス対策によい、といった誤情報が流れている。当然ながら、イギリスでもこうしたフェイクニュースが拡散しており、そんなニュースのなかには新型コロナウイルスは中国当局によって作られた生物兵器、という陰謀論も含まれる。

 新型コロナウイルスと人類の戦いにおいては、リアル空間における公衆衛生上の戦いとインターネット空間における情報戦という二正面作戦の遂行が求められている。このふたつの戦線には決定的な違いがある。ウイルスは見えないのに対して、マルウェアやフェイクニュースは目で確認できるのだ。それゆえ、新型コロナウイルスをめぐる情報戦に関しては各ネットユーザが十分に用心すれば、勝利することができるだろう。

トップ画像出典:BUSINESS INSIDER「Hackers are using these fake coronavirus maps to give people malware」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる