狩り続けて16周年『モンスターハンター』 総売上6000万本シリーズの原点を振り返る

狩りの楽しさを最大限に高めたオンライン機能

http://www.capcom.co.jp/product/detail.php?id=307より

 『モンハン』を”狩りゲー”たらしめたのは上述したゲームシステムだが、狩猟の楽しさを飛躍的に高めたのは、第一作目にして搭載されていたオンライン機能にあると筆者は考える。というのも、本作はオンライン前提のプレイ体験を目標に開発されたタイトルであり、ココット村で巻き起こる作中のシングルプレイモードは、実質的にオンライン前の予行演習といった位置づけにあったからだ(必ずしもオフラインがボリューム不足というわけではない)。

 オンラインモードの拠点となるミナガルデには、サーバーにアクセス中のプレイヤーがリアルタイムで集う。そこでチャットを介したコミュニケーションを取り、気の合う仲間とクエストに挑む。オンラインモードにはシングルプレイで見かけない「ミラボレアス」や「キリン」などの古龍種と戦えるクエストがあり、結束して強敵に挑戦する一体感、力を合わせて高難易度のミッションを成し遂げる達成感を味わえた。ただ、こうした体験をフルに楽しむためには機材を別途用意しなければならないこともあり、ハードルは少なからず高かったと記憶している。とはいえ「一狩り行こうぜ!」を体現するが如く、16年前からしっかりとオンライン機能を搭載していた点は評価すべき要素ではないだろうか。

 第一作目に端を発し、アイルーを主役に据えた派生作品にRPG、スマートフォン向けアプリやハリウッドでの実写映画化など、各方面で影響を与え続けている『モンスターハンター』。本シリーズはゲーム業界を越えたビッグコンテンツとして話題に上ると共に、コンクリートジャングルを生きる現代人の狩猟本能を今後もくすぐり続けるだろう。

■龍田優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。Twitter:@yuki_365bit

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