Twitter新機能“24時間で消えるツイート”に賛否 「ネットジャーナリズムの弱体化に繋がる」との声も

Twitter新機能“消えるツイート”に賛否両論

 もはやネットにおける社会インフラとして機能している感のあるTwitterに、新機能が実装される動きがある。この新機能が登場すれば、ユーザに安心してツイートできるネット空間がもたらされる一方で、Twitterのもつネットジャーナリズムとしての機能が弱まるかも知れない。

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 Twitter社のプロダクト・リード(製品開発責任者)を務めるKayvon Beykpour氏は5日、Twitterの新機能「Fleet」のテストをブラジルで開始したことをツイートした(下のツイート参照)。

 Fleetの最大の特徴は、投稿後24時間経過すると消えることだ。Instagramの「ストーリーズ」のTwitter版といったところだ。同機能のそのほかの特徴は通常のタイムラインに表示されず、タイムライン上部のアイコンをタップすることで表示できるようになっている(トップ画像参照)。また、リンクを設定することができない。さらに「いいね」やリツイートもできず、返信もDMのみに限定される。DMのみに限定されることによって、相互フォローしていないユーザは反応できないことになる。

 Beykpour氏のツイートでは、Fleetが導入されることによって、今までツイートすることをためらっていたようなつかの間に浮かんだことを共有することを助けたい、とも言われている。

賛否両論の反応

 Fleetについては、早速多数の海外メディアが本格導入された場合の影響やユーザの反応を伝えている。例えばForbesが5日に公開した記事は、Twitterのなかで「個人的な雰囲気」が生まれることを指摘している。というのも、同機能は不特定多数のユーザにその内容が見られないDMのみでしか返信できないため、親密な交流が促されるからだ。もっとも、フォローしているユーザが数百人以上いるようなユーザは、その数百人のアイコンをタップし続けてすべてのFleetをチェックするようなことはしないだろう、とも述べている。

 Forbesの記事は、SNS戦略のコンサルティングに携わるソーシャル・ストラジテストのMoshe Isaacian氏のFleetに対するコメントも報じている。同氏によれば、親密な関係を構築できる同機能はブランド戦略にも有効活用できる。そうした活用事例として、タイムラインに表示するほどではないがブランドとして告知したい「内部モノローグ」等を挙げている。

 WIRED日本版が5日に公開した記事では、Fleetのテストを開始した背景にツイートやアカウントを削除する風潮が影響していると評している。近年、不用意なツイートや過去のツイートが原因で解雇される事件が頻発している。そんな事件のひとつとして、MCU映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を監督したジェームズ・ガン氏の解雇と復職をめぐる騒動が知られている。最近では過去のツイートに起因する騒動に巻き込まれないために、ツイートやアカウントを削除することを習慣にしているユーザもいる。こうしたなか、Fleetは過去のツイートに思い悩まされることなく気軽にツイートできる手段となるだろう。

 Newsweekの5日付の記事は、Fleetに対するユーザの反応を報じている。ユーザの反応は、「#RIPTwitter(Twitterよ安らかに眠れ、意訳すれば「Twitterオワタ」)」とハッシュタグが現れたことにうかがえる。このハッシュタグで閲覧できるツイートを見ると、少なからずのユーザがInstagramの「ストーリーズ」ライクな機能より、編集機能を求めていることがわかるのだ。

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