『あいのり』は“恋リア”という枠に収まりきらない? 新シーズン、次々にメンバー倒れる“過酷さ”に注目

 2019年9月よりNetflixにて放送を開始した『あいのり:African Journey』が、2020年1月30日で最終回を迎えた。本作は、恋愛バラエティ『あいのり』シリーズの第3弾である。1999年に『あいのり』としてフジテレビ系で放送が始まって以来、今日まで多くの視聴者に愛され続ける長寿番組で、かつて社会現象まで巻き起こした。『テラスハウス』シリーズや『バチェラー』シリーズよりも長い歴史があり、芸能人ではなく一般人の参加者が恋愛する姿を追うリアリティーショーブームの火付け役とも言える『あいのり』。メンバーが、真実の愛を探すべく、ピンクのラブワゴンに乗って、アフリカ各地を旅する今回もまた、ルールは「告白してOKならキスして帰国、NOなら一人で帰国」というもの。恋愛以外にも、旅先の土地について理解を深める企画など、様々なコンテンツが用意されている。

 『あいのり:African Journey』最終回では、2組のカップルが成立。シーズン全体としては、これで3組のカップルが誕生したことになる。

 そんな今回の旅だが、内容的には非常に過酷だったように思う。歴代の『あいのり』シリーズの中でも、屈指のハードさだったのではないだろうか。その理由として、風土病である腸チフスやアメーバ赤痢に感染して気力・体力ともに限界を迎えたことによってラブワゴンを降りていったメンバー(コウ)がいたことや、高山病になりながらキリマンジャロを登山し、スタッフ・メンバーともにバタバタと体調を崩していったことなど、健康面でのハプニングが挙げられる。

 異国を旅しながらの恋愛ドキュメンタリーが本作品の魅力だが、今回は国外ならではの苦労が浮き彫りとなった印象だ。同時に、こういったアクシデントも含めてリアルな他国のいまを知れるのは、本作の醍醐味とも言えるだろう。旅行に関心のある視聴者にとって参考になるだけでなく、他国実情を身近に感じられるのは、恋愛リアリティーショーにはあまり興味がない人たちにとっても、本作を楽しめる要素になっているはずだ。

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