凌、なぜビビの告白に中途半端な答えを出した? 『テラスハウス』第31話未公開映像
そして、この恋愛の難しさを痛感したのは、花とビビだけでなく、おそらく凌もまた然りだろう。凌は「いつ、俺が(花ちゃんを)どう思ってるのかっていうのを伝えるのがいいのかなって考えてた」と呟いたり、「可愛いとか綺麗とかさ、いい人とか面白いだけじゃ、俺は付き合えないと思うから」と語ったりしていた。また「たとえば、(これまでの生活だったら)興味がない女の人、好意を抱いていない人(にアタックされた場合)だったら、もうフェードアウトするだけじゃん? でも、一緒に住んでるとさ、それ以上の仲になる」とも打ち明けている。
二人から猛烈にアピールされていた凌も、彼なりにたくさん悩み苦しんでいたのだろう。同じ家に住んでいるからこそ、彼女たちの好意から逃げることはできない(少々意地悪なことを言えば、全世界に配信されている以上、適当にあしらうこともできない)。加えて、ビビに至っては、凌自身も気持ちがわからず、明確な答えが導き出せなかったのではないだろうか。ビビへの想いを尋ねられるたびに凌は「ビビちゃん、アメリカに行くんでしょ? 俺、遠距離とかできないもん」の一点張りだった。まるで自分に言い聞かせるかのように。
「自分の夢が一番大事」ときっぱり言い切る凌にとって、何事においても第一優先は“夢”。誰になんと言われても譲れないものが、“夢”なのだ。それは自分の夢だけでなく、相手にとっての夢も同じ。そして、凌は次に付き合う人と結婚したいとも話していた。すなわち、凌にとっては、結婚という未来が見えにくい遠距離恋愛はなし、だからと言ってビビが夢であるアメリカ行きを諦めてまで、自分のそばにいることもポリシーに反するから、絶対に受け入れることができない。もし、ビビが代わりに日本で夢を見つけたとしても、凌はそんな彼女に幻滅して急激に気持ちが冷めるように思う。ビビに女性としての魅力は感じているが、条件的に交際はありえない。でも、惹かれているのは確かというアンビバレントな感情が、凌の煮え切らない言動へと繋がったのではないだろうか。
やっぱり恋愛は難しい。タイミングや条件などがすべて合致した上で、お互いを好きになることの希少さを改めて感じさせられた。凌のように絶対に譲れないものがあればあるほど、そのパズルはさらに難解になっていくように思う。
……と、三角関係の当事者たちの本音を推測し、ここまで長々と綴ってきたが、実際は凌が心の中で何を考え思っていたのかなんて、全くわからない。ましてや花もビビも、本当のところは全く違う心情かもしれない。結局、恋愛をはじめ人間関係において、いくら足掻いても、自分以外の誰かの心を100パーセント知ることなんてできないのだから。どんなに相手を想っても、決して見ることができない“真実”がなんともじれったい。
■番組情報
『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』
2019年5月14日よりNetflixにて毎週火曜に新エピソード先行配信(4週に1週休止)
2019年6月11日よりFODにて毎週火曜深夜0時に配信予定(4週に1週休止)
2019年7月よりフジテレビにて、地上波放送予定
(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント