『あいのり:African Journey』から感じる、“グループ貧乏旅行”の面白さと“恋リア”の問題点

 男女7人がピンクのワゴン車・ラブワゴンに乗って“真実の愛”を探す、恋愛リアリティー番組『あいのり』。1999年開始のTVシリーズから様々なドラマを生み出し、番組出身の桃は、人気インフルエンサーとして活躍するなど社会現象にもなった。そして、Netflix、FODにて最新シリーズの『あいのり: African Journey』 が、現在絶賛配信中だ。なお、1月11日より本シリーズの地上波放送も開始された。

 恋愛模様だけでなく、各国の文化を知り、現地の人々との出会いが描かれるのも『あいのり』シリーズの魅力だ。今回は、ケニアからスタートし、ウガンダ~タンザニアを経て、キリマンジャロ編に突入した。なつかしの「あいのり学校」(視聴者からの寄付で建設された学校)や、「『あいのり』史上最も長く旅を続けた男」こと、ヒデが15年ぶりに登場するなど、過去の『あいのり』シリーズのファンも楽しめる要素も盛り込まれている。『テラスハウス』や『バチェラー』に押され気味だが、グループ貧乏旅行の恋模様は安定の楽しさだ。

 筆者ももちろん、毎週楽しく視聴しているのだが、少々ひっかかる点がある。ウガンダ編で、ラブワゴン一行はコメディアン・セバビ氏と出会う(エピソード7)。セバビ氏は、他にもEテレ『NHK バリバラ』など日本国内のメディアでとりあげられることもあるため、ご存知の方もいるかもしれない。

 彼は骨が変形してしまう難病を抱えていながら、それを武器にして『醜い顔コンテスト』で優勝、一躍国民的有名人となり、コメディー集団“アマルーラ・ファミリー”で活躍しているという。

 そこに「感動」するあいのりメンバーたちに、「感動してほしくない」と伝えるセバビ氏。そのとき、メンバーたちは自分の中の偏見を改めて感じ、ハッとする。差別について考える、なかなか良いエピソードだったと思う。

 しかしながら、問題はそこで、日本での障がいを武器にしたエンターテインメントの事例として、「小人プロレス(ミゼットプロレス)」を紹介したくだりにある。

 筋書きはこうだ。30年前、低身長症のレスラーによるミゼットプロレスが人気を博していたが、人権団体からの批判で壊滅状態に。障がい者自身は確固たる意思を持っていた。しかし、批判により彼らは、生活の糧を奪われてしまった。障がい者が健常者を笑わせる、日本で失われた光景がウガンダにてあったのだーー。と、結ばれる。

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