「バーチャルジャニーズ」盛り上がりの背景は? SHOWROOM前田裕二に訊く

前田裕二が語る「バーチャルジャニーズ」

「飛鳥と星空のコンサートでもあり、リアルな藤原&大橋のパフォーマンスも……」

ーーそういえば、SHOWROOMというプラットフォームだけではなく、SNSを中心とした発信も含めてプロデュースが行き届いているのも面白いなと。

前田:インタラクションなSNSも、広義のエンターテインメントの一つですし、人の可処分時間を埋めるものだと思うんです。暇なときに何となくYouTubeやInstagram、TikTok、Twitterを見る人は多いですが、そんな人たちに本当のショーというか、作りこまれたプロのエンターテインメントを見せていけるようにしたい。身近に感じられるツールも上手く使いながら、最終的には作品に誘導していきたいと思っているんです。我々がインターネットサービスの会社なのに。あえて「作品」のことばかり話すのは、プロのエンターテインメントを作る人たちに対するリスペクトもさることながら、時代の「作品」への要請、身近なSNSコンテンツからの揺り戻し、という観点もあります。

――素人の方がのし上がっていく過程を応援しつつ、プロへのリスペクトも欠かさないという姿勢が、SHOWROOMのストロングポイントでもあるなと改めて思いました。

前田:たしかに、インターネット・IT系の企業は身近さを軸に運営しているケースが多いので、両方の要素を併せ持っている会社は多くないのかもしれません。SHOWROOMの強みは、プラットフォームとして、ジャニーズや吉本興業、AKBグループ・坂道シリーズといった偶像側にいるトップコンテンツホルダーの皆様とシナジーを生み出しながら、同時に、夢を叶える人たちの夢を叶えていける、応援していける、というところにあると思っています。

――最後に、今後のあすかなの展開についても、話せる範囲で中長期的な目標を教えてください。

前田:短中期的なところだと、コンサートがしたいです。

――バーチャルの、ですか?

前田:そうですね。飛鳥と星空のコンサートでもあり、リアルな藤原&大橋のパフォーマンスも見せたいです。

――おお、それは楽しみです。

前田:長期的なところだと、飛鳥と星空という媒介を通じて、ジャニーズのことを知らない、ジャニーズのエンターテインメントに触れてない、という人たちがジャニーズに触れられるきっかけになっていきたいです。そうすると「こういうエンタメがあるんだ」や「エンタメってこういうことか」と感じられると思うので。

――エンタメの本質的な面白さを味わってほしい、ということですね。

前田:これはジャニーズに限らず、本気のエンターテインメントに触れると、世界の幸せの総量みたいなものが増えると僕は信じてやみません。作り込まれた、考え込まれたプロのエンターテインメントは本当に心の底から素敵だし、プロによる本気のエンタメは、時代の流れを受けて、これからもっと人に必要とされるだろうと思うので。

――スマホの普及などによって、一人あたりの可処分時間におけるパイの取り合いが激化する中で、限られた時間をいかに質の高いコンテンツや、満足度の高いエンタメに使うかが重要になってきますから。

前田:はい。誰でもステージに上がったり、表現できる時代になったからこそ、質の高いコンテンツを体感したときに、演者側の視点を持って「プロってすごいんだ」と気づくのだと思います。「ここまで考えられてるんだ」とか、「ここまでトレーニングされてるんだ」とか。そういったプロのコンテンツーー特にジャニーズという素晴らしい三次元コンテンツの魅力を、二次元側にいる人たちにちゃんと伝えていくのが、中長期の目標でもあります。

ーーそして、それを叶える決め手になりうるかも知れないのが「作品」というわけですね。

前田:はい。二次元ファンはアニメやラノベ、楽曲など、作品を通じて呼び込んでいくのが近道だと考えていますので、とにかく作品を作っていって、二次元ファンや非ジャニーズファンをどんどん巻き込んでいきたいという気持ちです。そうやってエンタメ市場におけるファン流動性が増せば、市場規模も自然と大きくなると思います。僕個人としてもエンタメが本当に大好きということもあって、「映画の市場がたったの2000億円」という風に言われることも許せないんです。長期的にエンタメの市場規模をさらに大きく拡大させていきます。

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