『テラスハウス』東京編は“リアルハチクロ”だった!? 2019年恋愛リアリティーショー座談会【前編】

2019年恋リア評論家座談会【前編】

『TERRACE HOUSE OPENING NEW DOORS』(『テラスハウス』軽井沢編/Netflix配信:2017年12月~2019年2月)

藤谷千明(以下、藤谷):実は私、軽井沢編を途中で脱落してしまったんです。序盤に(新井)雄大っていう子がいたじゃないですか。ちょっと空回りしていることが多くて、彼を見ていると、共感性羞恥が爆発するというか、身に覚えがある失敗を思い出して「あぁぁぁ」ってなってしまって(苦笑)。コミュニケーション能力低めの人間にとって『テラスハウス』って、結構ハードル高いんですよ。

Nana Numoto(以下、Numoto):確かに! 見ていて身に覚えのあるシーンはありますよね。(田中)優衣関連のいざこざは、女性同士特有のあるあるも感じました。軽井沢編の優衣が天使から悪魔に変わる瞬間は、テラハ史上最も汚い部分を見たような気持ちになりましたね。実際に海外の大型ウェブ掲示板のRedditでは“Yui might be the greatest villain in TH history(優衣は史上最大の悪役かもしれない)”こんなタイトルのスレッドまで立っていたんですよ。海外メディアでも度々話題になりましたね。

Jun Fukunaga(以下、Fukunaga):僕は寮長(中村貴之)が面白かったですね。年下の子にボコボコにやられている感じが(笑)。あとは軽井沢編と言えば(島袋)聖南ですよね。あの人の“プロテラスハウサー”っぷりがすごい。レジェンド枠じゃないですか? 韓国行って鼻の形変わって帰ってきたり、(上村)翔平とキスしてセンセーショナルな話題を振りまいたり。そういう部分では、やっぱり聖南はすごいなと思いましたね。

Numoto:みなさんは軽井沢編、過去の作品と比べてどうでした?

Fukunaga:ハワイ編とはガラリと人選が変わったように思います。ハワイ編はみんな美男美女で、キャリア的にもいわゆる海外の“リアリティーショーのスター”って感じでしたが、軽井沢編はもっと“身近な人”になった印象です。

藤谷:Fukunagaさんは『テラスハウス』を観る上で“親近感”は大事だと思いますか?

Fukunaga:確かに、共感しやすい部分はあるのかな。優衣は普通の大学生ですが、性悪な部分もある。「こういうやつキャンパスにいるな」みたいなところが、いろいろ言いたくなる理由の一つなのかなと思います。翔平に黙って(石倉)ノアが聖南にキスしたところとか、実際にサークルなどでありそうなことですし。

Numoto:確かに、視聴者もそういう部分で共感していたのかもしれないですね。「こういう女いた!」みたいな。

Fukunaga:軽井沢編は聖南が出てきてから劇的に面白くなった。テコ入れとしては最強ですよ! 裏を返せば、聖南が加入するまでは少しダレていた気がします。

編集部:軽井沢編では優衣と(福田)愛大の暴露大会も注目されましたが、今までもあったのですか?

Fukunaga:ありました。たとえば、『TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY』では、(永井)理子と(寺島)速人が隠れてキスしていたことを指摘されていました。家族会議ってやつですね。

Numoto:でも、ここまで頻発したのは初めてかもしれないですね。もはや、隠していたけれどそこを暴くところまでがリアリティーショーみたいな、メタ的な面白さが出てきちゃったのかなとも思います。長く続いてきたからこそ、自分たちを演出して見せていく場所=テラスハウスになってしまっている感じもありますよね。

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