恋愛リアリティーショー、恋愛ドラマよりもなぜ人気? “熱狂”の作り方を軸に考える

 編集部の方から、「恋愛リアリティーショー、恋愛ドラマよりもなぜ人気?」というテーマでの執筆依頼をいただいた。う~ん、これは結構難しい。

 たしかに、かつて恋愛ドラマを牽引していた、フジテレビの月曜21時枠(通常月9)は、近年は職業ドラマが多い傾向にあり、今年も『トレース~科捜研の男~』(1月期)、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(4月期)、『監察医 朝顔』(7月期)、『シャーロック』(10月期)、そして来年1月からは『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』といったラインナップである。

 SNSや動画サイトと上手く連携した、『今日から俺は!!』『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』や『あなたの番です』といった日テレ22時枠の健闘も、今年のドラマにおけるトピックだが、不良コメディ、サスペンスジャンルであって、恋愛ドラマではない。

 そして、今期の地上波ドラマにおいて、『モトカレマニア』(フジテレビ系)『4分間のマリーゴールド』(TBS系)『G線上のあなたと私』(TBS系)といった恋愛ドラマは軒並み低視聴率だという(参考:【12月2日~12月8日/ドラマ視聴熱&視聴率TOP10】初の2冠!視聴熱1位&視聴率1位「スカーレット」/ザテレビジョン)。

 しかし、近年ヒットした恋愛ドラマといえば、“恋ダンス”が一斉を風靡した『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系/2016年)、SNSを中心に“OL現象”を起こした『おっさんずラブ』(テレビ朝日系/連続ドラマは2018年)、横浜流星の大ブレイクにつながった『初めて恋をした日に読む話』(TBS系/2019年)などが記憶に新しいが、『逃げ恥』以外は、さほど視聴率自体が高いわけではなかった。

 録画視聴者の増加、あるいは見逃し配信アプリ・TVerで視聴する層も無視できない状態になっており、2019年12月19日現在のTVerランキング1位は『同期のサクラ私』2位『G線上のあなたと私』3位『シャーロック』である。もはや、視聴率だけでははかりきれない部分があるのは事実である。

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