Travis Japanは時代に求められるアイドル? 初単独主演舞台『虎者-NINJAPAN-』裏側密着動画を見て

 とっさに出てくるのが、自分に襲いかかる恐怖や妙な照れ隠しではなく、心配をかけて申し訳ないという言葉なのもTravis Japanらしいところだ。もちろん、他のメンバーも「何やってんだよ」などと茶化したり、変にプレッシャーを与えることもない。吉澤閑也は、不安が残る七五三掛の肩をかかえて「マッサージ! マッサージ!」と身も心もほぐしていく。

 そして、本番。ステージ上での激しいダンスはもちろん、着替えや移動などですぐに汗だくになる7人。そんな大忙しの舞台裏で、ウォールトランポリンに挑む七五三掛をモニタリングするメンバーの姿が。その理由を吉澤が「何かあったときに助けられるように、みんなで見てる」と語っていた。そんな中、第二幕の開演直前に松倉海斗にピンチが訪れる。それを助けたのは、今度は七五三掛だった。

 声出しと称して緊迫した空気を和ませる松田元太、いつでもTravis Japanの精神的支柱として士気を上げていく宮近海斗、そして、マイペースな塩対応に見えて、実はエレベーターの“開”ボタンを押してメンバーが乗り込むのを待ったり、衣装の変化に気づいたりと、しっかりメンバーを見ている中村海人。

 そんな彼らのさりげないやり取りを見ていると、お互いを思いやるやりとりが日常茶飯事なのだと伝わってくる。自分の演技を仕上げるだけでなく、メンバーのピンチに備える余裕まで作る。彼らが目指す舞台の完成度の高さに感服した。

 ビジュアルの良さ、パフォーマンススキル、バラエティ力、高学歴や一芸の持ち主など、アイドルの“魅力”として様々な指標が多角化してきた。その中で、Travis Japanの持つ最高のステージを届けたいという“誠実な姿勢”と、誰も貶さない“やさしい世界観”こそが、これからの時代に求められるアイドル像なのではないかと思わずにいられない。

(文=佐藤結衣)

Travis Japan【舞台裏密着】虎者-NINJAPAN-を徹底公開!

関連記事