東海オンエアはなぜ自らに“十字架”を課し続けるのか? メンバーごとにデータ化&徹底分析
そして、ゆめまる。てつや、りょうと共に陸上部で過ごしただけのことはあり、自分をいじめることをそれなりに楽しんでいる印象を受ける。しばゆーが挑戦し、死にそうになるほど苦しんでいた「24時間徒歩」を自ら志願しほぼ完遂した根性は、並大抵のものではない。個人に課せられたものの中では東海オンエア史上最長クラスの十字架、「6ヶ月ひげ生活」(マジックなどでヒゲを描く)がようやく終わったところで申し訳ないが、その根性を生かして派手な十字架を受ける姿が見たくなってきた頃なので、こっそり期待したいと思う。
最後に、グループのブレーンである虫眼鏡。メンバーの罰ゲーム耐性を”おかしい”と言いつつ、課された十字架はしっかりとこなし、自分の物にしている。動画の進行役を担うことが多い上に、ラジオパーソナリティ、個人チャンネルなど持ち前のトークスキルを生かした仕事が多い彼をかなり疲弊させたであろう「1ヶ月語尾変更(だってばよ)」も、不満を漏らしつつ、終わる頃にはファンから「寂しいってばよ……」という声が相次ぐほど物にしていた。ただ、その頭のよさゆえにクイズ企画等で罰ゲームを受けることが少なく、数・期間ともに最少という結果に。そろそろ“スマートなまとめ役”が苦しむ姿も見たい……という、悪い考えも浮かんでしまう。
さて、あらためてデータを精査してみると、この1年で彼らが罰ゲームを課している動画は304本中65本。実に5本に1本、週に1回以上のペースで自らを苦しめているということになる。もともとメンバー間でリスクを与え合うことを楽しんでいる、というグループの特殊性もあるが、楽しみにしているファンの期待に応えて、という側面もありそうだ。
先に述べた通り、メンバーの反応や十字架を背負う確率は、それぞれ大きく異なっている。全員がてつやのように率先して罰を受けるのでは緊張感が生まれず、かといって、全員が本気で嫌がっては、面白さより気の毒さが勝ってしまうだろう。つまり、東海オンエアの強力な武器である、メンバーそれぞれの個性と、その絶妙なバランスが”十字架”をエンターテイメントにしているということだ。だからこそ我々は、本気で同情したり、はたまた面白がったりしながら、「今度はどんなバカなことをやっているのだろう」と、彼らの苦しむ姿を再生し続ける。どれだけ人気になっても変わらず体を張り続ける彼らの姿を、少しの心配と、大きな期待を持って見守っていきたい。
(文=岩見莉紗)