YouTuberカジサックが中田敦彦&ヒカラファと叶えた夢 ANN当日レポート&インタビュー

 YouTuberカジサックが11月9日深夜、『オールナイトニッポン0(ZERO)』でMCを務めた。2019年12月末までにチャンネル登録者数100万人を達成できなかったら、芸人引退ーー「キングコング・梶原雄太」としての退路を断ち、“芸人YouTuber”という新たな道を開拓してきたカジサック。今年7月、期限を大幅に残して目標を達成し、その後も勢いを落とすことなく走り続けている。ゲストに「カジサックチャンネル」の開設とその後の躍進に大きく寄与した人気YouTuber=ヒカル&ラファエル、そして、カジサックのアドバイスを受け、いまやYouTubeでも大ブレイク中のオリエンタルラジオ・中田敦彦を迎え、ひとつの節目になった今回の放送。本稿ではその内容を振り返り、放送終了直後に行なったカジサック本人へのインタビューをお届けする。


 「さあ今回なんですけども~」と、動画でもおなじみの導入から、「私カジサックが『オールナイトニッポン0』を担当させていただきます!」と宣言したカジサック。それを「やったー!」と拍手で盛り上げるのは、カジサックチャンネルの名物カメラマン・ヤスタケ、撮影に企画も手がける山口トンボのふたりだ。汗と涙を流しながら、まさに粉骨砕身、カジサックの躍進を支えてきたふたりは、もともと芸人として舞台を踏んでいることもあり、相槌やツッコミはお手の物。憧れの『オールナイトニッポン』にチームカジサックで出演、という感慨に浸る流れから、すぐさま「最近、ツイッターの方が乗っ取られまして……」と、タイムリーな事件についての報告につなげた場面も、3人の息の合った掛け合いが面白い。


 さて、カジサックはYouTubeとラジオの共通点について、「テレビより視聴者(リスナー)さんとの距離が近い」と分析。なおかつ、動画とは違って、ラジオではリアルタイムでリスナーの声が届くこともあり、「今日はメールをドンドン読んでいきたいなと!」と力を込めた。しかし最初の一通は、放送内容が動画に残ることを受けて「感謝感謝でありがたく、私、寝ますね」と、カジサックをイジるもの。「なんやねんこれ!」とノータイムで突っ込んだカジサックだが、「このあとビッグゲストが来ますけど、問題発言をするような人ばかりなんですよ。あとで聴けない状態になるかもしれないから、絶対にリアルタイムで聴くべきですよ」と切り返していた。そう、ヒカルもラファエルも、そして中田敦彦も、確信犯的言動であれ、ネットニュースによる誤解であれ、「炎上」した経験は数知れず。カジサックは「YouTuberをゲストに、と考えた時に、この3人しか頭に出てこなかった」と語ったが、この尖ったメンバーのコラボは何が飛び出すかわからず、予定調和を超えたワクワク感をリスナーに届けていた。

 いよいよ最初のゲストとして、中田敦彦がブースに入る。快くゲスト出演してくれたことに感謝を述べ、「言うても選んでるやろ、仕事?」と振るカジサック。中田は即答で「選びに選んでます」と笑いを誘うが、「カジサックさんに、僕は救われたようなものですから」と真面目に語った。4月に動画投稿を開始したYouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」は、およそ5ヶ月で100万人登録を達成。「もうひとつ、自分らしい表現の場を設けたい」と模索していた時期に、「教育系YouTuber」という新たな道を示したのが、カジサックだった。中田の「それは、カジサックさんに呼ばれれば来ますよ」という言葉に気を良くしたカジサックは、「じゃあ、またローション相撲やろうよ」と、YouTube上で伝説になっている対決企画での再選を提案。中田のラジオ(奇しくも同じくニッポン放送の『中田敦彦のオールナイトニッポンPremium』だ)での発言を巡ってすれ違いがあり、2人はプチ炎上を起こした経緯があるが、カジサックチャンネルでのローション相撲で、芸人らしい和解を印象付けたのだった。

 中田は「あの(チームカジサックの)現場が衝撃的で。カジサックさんが頑張っていらっしゃるのは外から見ててもわかる。でも、本気の男たちの現場を肌で体感して、あれを目指して頑張ろうと。僕の人生を変えてくれましたね」と振り返った。しかし一方で、「ちょっとショックだったのが、『実はあっちゃんの前に、宇治原(史規)さんに言うとったんやけど、はじめやらへんから』って。まさかのドラフト2位だったんですよ(笑)」と、初出しに近いエピソードでしっかりオチをつける場面も。


 そして中田をブースに残したまま、人気YouTuberヒカル&ラファエルが合流することに。「金(ギャラ)が出ないと聞いたんで、仮面はいいかなと(笑)」と、代名詞の仮面を被らず、サングラスにマスクという姿で登場したラファエル。そんなラファエルを「僕はギャラありますけどね。カジサックさん、差を設けてるんですよ」と煽るヒカル。動画通りの掛け合いでリスナーを笑わせた後、カジサックそっちのけで、中田とばかりトークを弾ませるのも、愛のあるイジリだ。

 中田とヒカルは初対面だが、お互いのコンテンツを高く評価し合っており、ヒカルは「(中田は)プレゼンの天才。策略家・戦略家、軍師のようなイメージですね」と一言。一方の中田は、ヒカルについて、「ずっと意識して見てましたよね。僕はYouTubeに大切なのは狂気、覚悟だとよく言っているんですけど、その最たる人だなと思っていて」と語った。

 リスナーから、ヒカルとラファエルに「カジサックさんやオリラジ中田さんのような芸能人がYouTuberとして活躍している姿を見て、率直にどう思っていますか?」という質問が届く。これに対して、ラファエルは「シンプルにうれしいですね。自分がいる場所が盛り上がっている感じがして」と語り、ヒカルは「僕は、YouTubeに入ってくる人は賢いなと思いますね。いまの時代、テレビよりYouTubeが来ちゃってる、というのは誰の目から見てもわかるので、そこにプライドを捨てて来られるのは、カッコいいし、賢いと思います」と分析した。


 カジサックは「脅威には感じないですか?」と掘り下げるが、ヒカルは「言っても、土俵が違いますよね」として、そこから各チャンネルの視聴者層についてトークが展開。現在、カジサックチャンネルの視聴者は女性が過半数をやや超えており、ファミリーチャンネルの色合いが濃くなっているが、「そこに特化するつもりはなくて、今月は芸人さんのゲストもガンガン出てくる」と明かす。11月内をめどに、フットボールアワー・後藤輝基が登場し、本気のトークを見せるとのこと、動画の公開を楽しみに待とう。

 その他、炎上問題からYouTuberの熱愛報道、中田がチャンネル登録者数を非表示にした意図まで、トークは縦横無尽に展開し、また、リスナーから募集した企画をカジサックチャンネルで実際に動画化することも発表になった。YouTuberデビュー以来、常に「芸能界とYouTubeというものの架け橋になりたい」と語り、新しいエンターテイメントを模索してきたカジサックが、その夢に向けて新たな一歩を踏み出した今回の放送。「radiko」のタイムフリー聴取機能は期限が迫っているが、なんと後日、カジサックチャンネルでもアーカイブされるそうなので、ぜひチェックしていただきたい。

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