『バチェラー・ジャパン』シーズン3はなぜ視聴者を熱狂させたのか? 3つのポイントから考える
リアリティーショーだからこそのルールとマナー
最終回が配信される直前、友永と岩間が外でデートしている写真が、SNS上で出回り、炎上していた。過去のバチェラーが、ネタバレ防止対策として「配信がすべて終わるまで外で会ってはいけないというルールがある」ことを明かしているため、「ルール違反だ!」と批判が殺到。
加えて、『バチェラー・ジャパン』配信中に岩間は、自身のSNSにたびたび意味深な投稿をしている。友永の故郷・神戸の展望台で撮影したと思われる写真や友永の趣味であるゴルフを楽しむ写真、関西弁で話している動画など。これが友永との関係を“匂わせている”と、一部の視聴者から指摘されていた。
これらのSNS上での問題と、ファイナルローズを渡した相手ではない女性との交際という明白なルール違反によって、視聴者に番組そのものとローズへの価値に疑問を抱かせる結果になってしまった。『バチェラー』の魅力は生々しい人間ドラマだが、これはあくまでリアリティ“ショー”である。番組のルールに則って恋愛すべきだと言えるため、その前提を覆してしまったことは、大きい。
対照的な立ち振る舞い
エピローグで、水田と交際中に岩間に会いに行ったことを打ち明けた友永。スタジオにいた田尻が「ありえない」と指摘すると、友永は鋭い目つきで睨みつけ、反論している。自分から求めた家族の客観的な意見に対しても、「俺は恵さんがいいと思ってるのに!」と強く反発した友永。自分の思い通りにならないと不機嫌になる、あまりにも幼い一面に、引いてしまった視聴者も少なくないはずだ。
一方で、岩間の立ち振る舞いも印象的だった。エピローグで、スタジオに登場した際に、水田や視聴者に対して、謝罪や気遣いの言葉を一切発しなかった岩間。その堂々とした態度が、より周囲を刺激してしまう結果に。
そんな二人とは対照的に、完璧な立ち振る舞いだった水田。交際1カ月で別れを切り出され、すでにほかの人と付き合っていると知っても、最後まで友永と岩間を責めることはなかった。「どんなことがあっても、真也の味方」という自身の言葉を貫き通したのだ。それどころか、重い空気を払拭するかのように、終始笑顔だったり冗談を飛ばしたりと、場を和ませていた水田。彼女の絶妙な気遣いとすべてを受け入れる寛容さによって、友永と岩間の拙い言動がより悪目立ちしてしまったことは明白だった。
エピローグの終わりに、指原莉乃が「めちゃくちゃ胸糞悪いすわ」と視聴者の心境を代弁していたが、このドロドロの結末こそリアリティショーの醍醐味なのかもしれない。意図的に演出された結末だとすれば、実に見事なものである。
■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。
■番組情報
『バチェラー・ジャパン』
Amazon Prime Videoにて毎週木曜日に新エピソード配信
製作:Amazon Prime Video
バチェラー:友永真也
(c)2019 Warner Bros. International Television Production Limited. All rights reserved.
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