『バチェラー・ジャパン』シーズン3はなぜ視聴者を熱狂させたのか? 3つのポイントから考える

バチェラーの子どもっぽい部分を意図的にカット?

 まず、一つ目にあげられるのは、編集の巧さ。エピソード前半の友永は、女性たちと気さくに接しながらも、一人ひとりと真剣に向き合う誠実な姿が印象的だった。加えて、“運命の相手”への強い想いと理想は一貫していたため、歴代のバチェラー以上に、結婚への本気度を感じさせたのは間違いない。ついに、『バチェラー・ジャパン』で初めて結婚するカップルが誕生するかと、今後の展開に期待を抱いた視聴者も少なくなかったはずだ。

 しかし、エピソード9で事態は一変する。突如として、友永の我がままな一面や理不尽な部分が露わになった。もちろん、エピソード4の2on1デートで金子実加と中川友里を沼に飛び込ませたり、エピソード8の実家訪問で農業を営んでいる野原遥の家族の前で「野菜が嫌い」とはっきり発言したりと、これまでにも引っかかる部分は随所に散りばめられていた。興味のある女性とそれ以外の女性で態度に差がでるなど、わかりやすい性格が見え隠れする場面や、相手への思いやりや想像力が欠けているのかな? と疑問に思う点はあったが、それ以上に“バチェラーとしての完璧さ”の方が際立っていたように思う。だが、自身の家族に女性3名を一人ずつ紹介したエピソード9から、その築き上げてきたイメージが一気に崩れ出す。あからさまに、友永の子どもっぽい部分が全面に映し出されたのだ。

 これを皮切りに、畳み掛けるようにして友永の“奇妙な部分”が目につくようになる。特に、最終話で“運命の相手”として水田あゆみの名を呼び、ファイナルローズを手渡したあとの言動だ。水田を放ったらかしにして、“選ばなかった”方の岩間恵の元へ一心不乱に駆け寄る友永。そして、「ほんまに、ずっと好きでした」と謎の告白をし、立ち去る岩間の後ろ姿に「恵ー! 恵ー!!!」と名残惜しそうに叫んでいた。このシーンを見て、嫌な予感がした視聴者は少なくなかったはず。結果、友永は1カ月ほどで水田と別れていた。挙句、その後すぐに岩間と交際しているという前代未聞の展開に。

 エピソード前半に見せた、女性たちの想いをすべて受け止める懐の広さや、涙する女性たちを包み込むようにして励ます優しさは幻だったのか……。終盤に向けて、畳み掛けるようにして、友永の“ダサい”一面が、あれよあれよと膨れ上がっていき、気づけば大爆発していた。この手のひらを返したような前半と後半の落差が、視聴者の感情を熱く揺さぶったのではないだろうか。

 編集面で言えば、もう一人注目したい出演者がいる。最終的にバチェラーの愛を勝ち取った、岩間だ。思い返してみると、ほかの女性陣に比べて一人だけ、エピソード序盤から悪い部分が妙に目立っていたように感じる彼女。たとえば、EP4で田尻夏樹のことを「ああいう人」と呼んでいたり、EP5で水田に対して「彼の前では可愛く女を出せる」「イラっとしました」と発言したりと、基本的にインタビューシーンでは“悪いコメント”の部分が使われていた印象だ。

 もしこれが意図的に演出されたものだったとしたら、『バチェラー・ジャパン』の面白さの真髄は編集にあると言っても過言ではない。岩間の“裏の顔”をさりげなくだが、序盤からしっかりと見せていくことで、視聴者は良くも悪くも彼女を強く意識してしまう。同時に、“結婚”には向いてないのでは? と思う彼女にのめり込んでいく、友永の“矛盾点”も際立つのだ。

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