『AirPods Pro』は『AirPods』上位機種として適正か? 海外では新デザインが早くもネタに

 Apple公式サイトに突如『AirPods』の上位機種『AirPods Pro』が登場した。同イヤホンには待望のあの機能が実装されたのだが、当然ながら『AirPods』と比べて価格が上昇している。同イヤホンのトータルな完成度をめぐっては、海外メディアで評価が割れている。また、新デザインをイジるツイートも現れた。

ノイキャンだけではない新機能

 『AirPods Pro』の公式サイトを見るとわかるように、同イヤホンの最大の特徴はアクティブノイズキャンセリング機能が実装されたことだ。この機能は通常のノイズキャンセリング機能のように、外界からの雑音を打ち消す音波を発生させて音楽だけが聞こえる状態にする。さらに耳の内側に対しても雑音を打ち消す音波を発生させて、よりクリアな音楽体験を提供する。こうしたノイズキャンセリングは毎秒200回実行される。

 アダプティブイコライゼーション機能がさらに音楽体験を高める。この機能は、ユーザの耳の形に合わせて音響を調整するというものだ。同イヤホンに内蔵されたマイクロフォンが耳のなかの音を感知して、中周波と低周波を微調整する。

 また『AirPods』と同様にSiriに対応しているうえに、軸部分に埋め込まれた感圧センサーを使っても操作できる。感圧センサーのおかげで、軸部分を長押しだけでアクティブノイズキャンセリングと外部の音が聞こえる「外部音取り込みモード」の切り替えが可能だ。

 以上のような『AirPods Pro』の発売日は10月30日で、価格は27,800円である。ちなみに、下位機種である『AirPods』のみだと17,800円、『AirPods』とワイヤレス充電ケースのセットだと22,800円である。

得るものと失うもの

 『AirPods Pro』に関しては、多数の海外メディアが早速レビュー記事を公開している。Apple専門ニュースメディア『appleinsider』のレビュー記事では、『AirPods Pro』と『AirPods』の仕様を詳細に比較している。『AirPods Pro』は『AirPods』にはないノイズキャンセリングやアダプティブイコライゼーションが実装されている一方で、充電関連の仕様がわずかに低下している。

 具体的には、『AirPods Pro』において1回の充電で得られる再生時間が4.5時間に対して、『AirPods』は5時間である。こうした仕様差は、『AirPods Pro』の新機能が電力を消費しているためと推測される。このように比較したうえで、『AirPods』ユーザは「ノイズキャンセリングをそれほど評価しないならば」、『AirPods Pro』に買い替えないかも知れない、と評している。

 テック系メディア『wccftech』のレビュー記事は、Appleinsiderの記事と同様に『AirPods Pro』と『AirPods』の仕様を比較したうえで『AirPods Pro』が人気製品になるのは明らか、と述べている。『AirPods』とワイヤレス充電ケースのセットより5,000円多く(アメリカでは50ドル多く)支払うだけで、高品質の音響体験が得られるのは価値のある投資だというわけである。

 『Business Insider』のレビュー記事は、『AirPods』を高く評価している。『AirPods』を評価する理由として、『AirPods』単体を購入すると入手できる有線充電ケースの存在を挙げている。同メディアは、有線充電ケースのほうがワイヤレス充電ケースより早く充電できることの利点を重視しているのだ。さらに、『AirPods Pro』のワイヤレス充電ケースが『AirPods』のそれより鈍重だと指摘している。『AirPods Pro』のワイヤレス充電ケースは幅が広がり、重量も0.2オンス(約5.7グラム)重くなっている(下の画像を参照。左が『AirPods Pro』の充電ケース、右が『AirPods』のそれ)。以上のように比較したうえで、職場や通勤で音楽を聴くぶんには『AirPods』で十分、と結論づけている。

BUSINESS INSIDER「Here's why you should opt for Apple's regular AirPods over the new $250 AirPods Pro」

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