『テラスハウス』東京編:第17~20話ーー新メンバーの入居によって一気に高まる恋愛への気運
流佳を見れば“テラスハウスの現状”がわかる?
「4カ月もずっといて、うちらダラダラしちゃったじゃん」(春花/17TH WEEK)
このままだと、新メンバーの愛華やペッペもそのダラダラに引き込んでしまうのではないかと危惧する春花。そして翔平は、その言葉にハッと気付かされたように、突然の卒業を決める。確かにイチ視聴者としても、その“ダラダラ感”を感じなかったわけではない。恋愛をするという空気感の抜けた、友情(あるいはそれ以下の“ただの同居人”)でつながった関係。「居心地がいい」と翔平が吐露するのだから、よっぽど安定しているのだろう。それを悪いとは言えないけれど、やっぱり『テラスハウス』というコンテンツには、恋愛の駆け引きや、ときに訪れる衝突のような、“不安定なドキドキ”を求めてしまう。
そしてここ最近の問題は、そういうふうにテラスハウスが安定・停滞しているならまだしも、ともすればメンバー同士でお互いを低め合っているのではないか? という事態が数度起きていること。言うまでもなく、その一番の例は、水回り問題だ。風呂場・洗面所の汚さや台所に残る食器といった水回り問題は、ほぼ毎シーズン話題に上がることではある。そのたびに正そうとするメンバーも現れるのだけれど、それが新メンバーの役目になってしまうのは、あまりにも悲しい。常にダイニングで仕事をしているペッペや、間違いをやさしく指摘する体育会系の凌によって、そのあたりが改善され、お互いを高め合う空気感まで出てくるとよりおもしろい。
そうしたテラスハウスの空気感が、すべて流佳に反映されているのも、注目すべきポイントだ。数話前までは、バイトのギリギリまで惰眠を貪り、夢に向けた一歩を踏み出せずに悶々としている風景が映し出されていた流佳。テラスハウス全体とも重なるその停滞感。それがまずは料理という身近なものに手をつけはじめ、ペッペからペンネアラビアータのつくり方を教わったり、個人では英語教室に通いはじめたり、凌やペッペと英語で会話しようと試みたり、みるみる成長しているのがわかる数週間になっている。夢に向けた歯車が動き出し、水回り問題も流佳にひとつ原因があったようだが、凌の指摘によって改善の兆しが見えはじめた。そうすると次に気になるのが恋愛面。これもまたある女性の登場によって、流佳およびテラスハウス内の気運が高まってきているように感じられる。