ファーウェイがアフリカで政府のスパイ支援? 反政府勢力の動き封じ込める
中国は抑圧的統治手法の世界波及を目指す?
中国外務省は、国同士が治安維持で協力することは一般的で、アフリカの生活や事業環境を改善すべく安全都市建設を行なっているという。
『テレグラフ』は、ファーウェイがウガンダに新たに1億2,600万米ドル分のCCTVシステムを供給したと報じており、最大野党である民主的変化フォーラム(Forum for Democratic Change)のイングリッド・トゥリナウェ総裁は「CCTVプロジェクトは、私たちを追跡し、狩り、迫害するツールにすぎない」と語った(参考:https://www.telegraph.co.uk/news/2019/08/15/huawei-employees-helped-african-governments-spy-opponents/)。
電気などインフラの整備が行き届いているとはいい難いアフリカの国の、舗装されていない道に監視カメラがびっしりと並んでいるのは、確かに異様な光景だ。都市の治安維持のためとはいうが、反体制派の監視の意味合いの方が強いとの見方もある。
ザンビアでは、ファーウェイの従業員が、エドガー・ルング大統領に批判的なブロガーの電話やFacebookページに、政府当局がアクセスし、追跡・逮捕する支援をしたという。米国ワシントンDCにあるRWR Advisory Group社のアンドリュー・ダベンポート氏は「中国政府は、中国の非自由主義的な統治規範やデジタルを世界各地で採用させる目標がある」と述べた。
今回の件が事実であるなら、一党支配の続く中国政府のスパイ支援要請を今後、拒否することがファーウェイにはできるのだろうか。このままでは「ファーウェイが中国政府のスパイ行為に関与している」というアメリカ政府の主張を勢いづける可能性があり、その動向が気になるところだ。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。