『ストレンジャー・シングス』シーズン3がNetflix退会ユーザーを13%呼び戻す
以前にNetflixを退会したユーザーの13%が、米国独立記念日の7月4日にリリースされた『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(以下、ストレンジャー・シングス)シーズン3を視聴するために復会する考えを示していることが分かった。
発表からわずか4日間の7月8日、Netflixは「7月4日のグローバルローンチから4070万アカウントが視聴しています」とツイートし、同作の大盛況ぶりを報告している。
複数調査が大ブレークを裏付け
米国ニューヨーク・ウォール街の投資会社Cowen & Co.が6月26日から7月3日にかけて米国の消費者2500人に対して行った最新の調査によると、Netflixユーザーの約51%が、『ストレンジャー・シングス』シーズン3を視聴する予定であるとし、元Netflix会員の実に13%が、『ストレンジャー・シングス』シーズン3を観るために、再登録する予定だと回答した(参考:Stranger Things 3 Is a Subscriber Magnet: 13% of Ex-Netflix Users Signing Up Again to Watch Show, Study Finds)。
Cowen & Co.のJohn Blackledge氏率いるインターネット・ニューメディア・アナリストチームは、「第2四半期末から第3四半期にかけて、総売り上げが大幅に増加したことを考えると、これらの数字は特にポジティブだとみています」と記している。
必ずしもアンケートで回答した通りに人々が行動するわけではないが、他社の調査結果も『ストレンジャー・シングス』シーズン3が多くの視聴者を引きつけていることを示している。
米国のParrot Analytics社によると『ストレンジャー・シングス』シーズン3のリリースから4日間の需要は、HBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』の3.2倍、もう一つの人気Netflixオリジナルコンテンツ『ブラック・ミラー』の8倍以上だった。
Parrot Analyticsは、実際の視聴行動ではなく、YouTube、Facebook、Twitter、Instagram、海賊版サービス等の情報源からタイトルの全体的な人気を推定するデータを使用し、番組の相対需要を追跡している。
『ストレンジャー・シングス』シーズン3の米国での需要は、6月20日の予告編リリース後に急増し、本編のストリーミング開始前に、既に『ストレンジャー・シングス』シーズン2のピーク需要を27%上回っていたという。
このシリーズはNetflixオリジナルの中でも非常に人気があるが、特に今作の『ストレンジャー・シングス』シーズン3が注目されていることを、これらのデータも裏付ける形となった。
巨額の借金してコンテンツ量産、その狙いとは
アナリストは、Netflixのコンテンツ支出が現金ベースで、2019年には前年の120億米ドルから150億米ドルに達すると予測している。
Cowen & Co.の分析によると、Netflixは2019年第2四半期に689時間のオリジナルコンテンツをリリースし、前年同期比で50%以上増加した。 Netflixの新たなリリースには、ついていくだけでも至難の業だ。
Variety.comは「Netflixは、カテゴリーを越えて様々な視聴者に訴求する幅広いオリジナルコンテンツのラインナップを揃えるために、狂気の沙汰のように新たな借金をしてまで、支出を増やしている。結局のところ、最近のNetflixはおそらく、WarnerMediaやNBCU等について、古いテレビ番組のコンテンツライセンス契約終了を心配するあまりに、新しいプロジェクトにお金をつぎ込むことに執心しているのではないか」という見方を示している。